CES2019から読み解く、消費者向けプロダクト開発のヒント ―八子知礼×小泉耕二【第15回】

複数の技術を1つにまとめるデジタルの力

小泉: 最後に、P&Gの「Opte」という製品についてお話したいと思います。「Opte」は顔のシミやほくろを消すデジタルコンシーラーです。CES2019では大きな注目を集めていました。こうした製品からはどういう傾向が読み取れるでしょうか?

八子: 技術と技術の組み合わせがポイントだと思います。

この製品では、「顔の表面をスキャニングする」、「結果(シミやほくろの状態)を判定する」、「判定の結果、プリンティングする」という、これまでは別々にあった3つの機能がほぼ同時に行われています。これはすごいことだと思います。

スキャンとプリントの機能を小さな筐体におさめ、しかもインテリジェントに判断した結果を使って、プリンティングまでしてしまうわけですから。

デジタルによって複数の技術を融合し、ポータブルで手の届く値段の範疇で、簡単に実現できてしまうというのは、デジタルの強みであり組み合わせの妙ですね。

小泉: 「Opte」は10年の研究の成果だそうです。あれだけ小さな筐体ですから、中のコンピュータも相当コンパクトなサイズになっているのでしょう。昔だと考えられないサイズです。スマートフォンの普及でデバイスの部品の価格が下がったことも、実現を後押しした要因かもしれません。

八子: 昔の携帯電話と同じことですよね。小型化していくことで、普及モデルに近づいていきます。

CES2019から読み解く、消費者向けプロダクト開発の傾向 ―八子知礼×小泉耕二【第15回】
株式会社アールジーン代表取締役/IoTNEWS代表 小泉耕二

小泉: 今までもアイディアはあったものの実現できていなかったことが、今あらためて要素技術をしっかり調べてみることで、実はできるのではないかということが増えているように思います。

八子: そうですね。デジタルはあらゆるモノ・コトの境目をなくしていくとこれまでに言ってきましたが、それがプロダクトとして表れてきたのは面白いことです。CES2019の一つの特徴だったのではないかと思います。

小泉: 本日はありがとうございました。

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