芸術大学が提唱する文系理系の枠組みを超えるアート系人材育成とは ー京都造形芸術大学 事務局長 吉田大作氏インタビュー

未来に向けた活動

吉田:サイクロン掃除機で有名な「ダイソン」のジェームスダイソンを輩出したロイヤルカレッジオブアート(以下RCA)との提携を実施しています。RCAも芸術教育によるイノベーションの創出を大学のテーマとして掲げていて、京都造形大と非常にシンクロしています。

もともとは、先ほど述べたアイデアの早期具現化と社会に向けたフィードバックの反映というプロセスを伝統文化・伝統工芸の分野で実現するために、「京都伝統文化イノベーション研究センター」という機関を京都造形大学内に持っていました。

“伝統工芸は日本のモノづくりの原点”、このセオリーの本質を今の時代に転用するため、それぞれの伝統工芸の優れているポイントを分析し、道具・素材・技術など、具体的に何を転用すべきか検討し製品に落とし込むということをやっていました。

それにRCAが興味を示し、共同研究を希望してきたという流れです。RCAは日本の優れた技術、京都造形大は海外の目線で見た伝統工芸の良さというポイントをお互い知ることができるWin-Winの取り組みになっています。

RCAを皮切りにジュネーブのHEAD(ジュネーヴ造形芸術大学)やドイツのハレ大学(Burg Giebichenstein University of Art and Design Halle)とも提携を進めています。RCAの取り組みは9月に一般企業に向けのワークショップとしても提供する予定です。

小泉:最後に、未来に向けて、今後こうしていきたいという展望をお聞かせください。

吉田:いまの日本や子供たちの未来を考えたときに、閉塞感しか感じません。

例えば少子化・高齢化、福祉の課題、AIやビッグデータの最新技術に追いついていない日本企業など、暗い話題ばかり。大学は社会を切り拓いていく人材が育っていく場所なので、先行きの見えない時代だからこそ学生たちにどんなマインドセットやスキルを身につけてもらうのが良いのかというのを考え続けたいと思います。

そして、幸せな社会を構築するために、大学や大学が関わっている企業や自治体、海外の研究機関と一緒になって取り組んでいけたらと思っています。

小泉:ありがとうございました。

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