古野電気、シングルバンドで時刻同期精度4.5ナノ秒(1σ)のGNSSレシーバを開発

古野電気株式会社は、5Gやスマートグリッドなどで高精度な時刻同期(UTC同期)を必要とするユーザーに向けて、GNSSタイミングモジュール「GT-88」と、GNSS基準周波数発生器「GF-88シリーズ」を開発した。

同商品は、GNSS衛星から送信されているL1帯(1575.42MHz)の信号を受信するだけで、時刻同期精度4.5ナノ秒(1σ)(※1)を達成する時刻同期用シングルバンドGNSSレシーバである。同等の時刻同期精度を持つGNSSレシーバは既に市場に存在しているが、それらはL1帯の他に複数の周波数帯に跨る信号の受信が必要なマルチバンドGNSSレシーバだった。

同社は位置推定アルゴリズムの改良や、各国の衛星間の測位演算の最適化等により、マルチバンドGNSSレシーバよりもシンプルなシングルバンドGNSSレシーバで同等以上の時刻同期性能を実現した。そのため、市場に広く流通する一般的なGNSSアンテナのままで時刻同期を実現できるようになる。

また、日本電信電話株式会社が考案したマルチパス(反射波)対策アルゴリズム「ダイナミック・サテライト・セレクション」を搭載している。一般的にビル街のような環境では、マルチパスによって時刻同期の精度が劣化するが、「ダイナミック・サテライト・セレクション」はマルチパス信号を大胆に枝刈りして、時刻誤差を従来の1/5程度に低減した。

これにより、GNSSアンテナの設置の自由度が向上し、ビルの壁面や屋内の窓際などでもアンテナを設置できるようになる。

GNSS衛星に関しては、従来のGPS・GLONASS・QZSS(みちびき)に加え、新たに欧州のGalileoにも対応した。QZSSは、L1 C/A信号の4機同時受信と、L1S信号にも対応している。トータルで利用できる衛星数が増加したため、見晴らしのあまり良くない受信環境でも、より多くの衛星を受信できるようになった。

今後、市街地などで高精度な時刻同期を必要とする5Gスモールセル、V2X、グランドマスタークロック(※2)を中心に、幅広く展開する予定だ。

※1 1ナノ秒は10億分の1秒、1σは精度のばらつき具合を表す。
※2 5Gスモールセルは街中に設置されるモバイル用の基地局、V2Xは路車間通信、グランドマスタークロックは高精度なタイムサーバ。いずれもGNSSレシーバから得られた高精度時刻をベースにサービスが提供されている。市街地などの厳しい環境に設置されることも想定されるため、マルチパスに対して精度劣化の少ないGNSSレシーバが求められている。

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