アマダと日立、IoTを活用した次世代製造モデルを国内の主要拠点に構築

近年、製造業では、少子高齢化に伴う労働人口の減少や現場のモノづくりを支えてきた熟練者の引退による人手不足、グローバル競争の激化による効率性重視や、個別最適に留まり自社や業界など垣根を超えた全体最適への対応不足など、多くの課題がある。

金属板を切断するレーザ加工機などを製造する株式会社アマダの生産拠点においても、熟練者の経験に依存する作業が多く、個人の能力に依存しない働きやすさに配慮した製造現場や、技能伝承による人材育成が求められている。

株式会社日立製作所(以下、日立)はIoTをはじめ先進的なデジタル技術を活用した「Lumada」ソリューションを展開しており、日立グループとしてこれまで、株式会社日立産機システムが、2007年に静岡県にあるアマダの富士宮事業所においてパンチングマシン向けにサーボモーターを納入して以来、2017年には岐阜県土岐事業所の金型IoT工場のシステムを立ち上げるなど、アマダの製造現場の高度化や効率化に貢献してきた。

株式会社アマダホールディングスと日立は、2018年6月からIoTを活用した次世代製造モデルの構築に向けた協創を開始しており、このほど、IoT活用の次世代製造モデルを国内の主要拠点に構築することを決定した。

具体的な協創の取り組みの第1弾として、板金加工機械に使われる大型部材の複雑な組立工程において、熟練者のスキルに依存することなく一定品質のモノづくりができる製造現場を目指す。アマダの富士宮事業所で、「Lumada」の音声解析と画像解析技術を用いたハンズフリーの「組立ナビゲーションシステム」を構築し、2019年2月から稼働を開始している。

第2弾としては、常に生産計画の変更が伴う変種変量生産(※)に迅速かつ柔軟に対応するため、茨城県にある日立の大みか事業所で適用している、生産計画の自動立案システムである「工場シミュレーター」をベースに開発した「生産日程計画自動立案システム」を構築する。製造現場の状況のKPIを一元的に見える化する「製造ダッシュボード」と併せて、2020年度から富士宮事業所・土岐事業所にて稼働予定だ。

アマダグループは、これらのシステムの導入をはじめ、次世代製造モデルを構築し、若手からシニア層に加え、女性、外国人なども働きやすい効率的なモノづくりを実現することで、アマダの両事業所内における人材の多様化比率を3倍、生産性を30%向上させることを目指す。さらに、2021年度までに、アマダグループの国内外の拠点に今回の次世代製造モデルのシステムを展開することも計画している。

※変種変量生産:生産対象となる製品の種類が期間ごとに変化し、生産量も都度変化する生産形態

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