デジタルの糸が紡ぐ、スマートファクトリーの未来 ーPTC LIVEWORX2019レポート1

VOLVOの例に見る、デジタル・スレッドの例

PTC LIVEWORX2019
VOLVOで実際に製造を担当しているメンバーが登壇

例えば、VOLVOの例では、「乗用車の部品が6,000個ほどであるのに対して、トラックは20,000個ある」「さらに、トラックではカスタマイズがとても多い」ということだ。

製造のフェーズやサポートのフェーズにおいて、設計データに基づく部品管理が行われた状態で、1台のトラックに必要なカスタマイズを加えることができれば、作業手順上次にどの部品をどう作業して良いかが明確になるため、作業上のミスも低減するし、ARで情報を補完することで、作業品質も向上する。

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PLMで管理されているデータが、作業者に様々な情報をリアルタイムに教えてくれる

実際に作業をする際には、PTCではARのツールとして「Vuforia」と呼ばれるソフトウエアを提供している。CADで作成された設計データを保持しておくことで、ARを実現するためのデジタル部品として再利用するのだ。

その結果、現実世界のエンジンと、CADで作られたエンジン部品のデータをARで重ね合わせることができる。

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ARの技術を使うことで、どの部品をどのように対応していけば良いかが視覚的に説明されるため、作業ミスが低減する

そして、現実世界のエンジンが吐き出すデータをIoTで吸い上げ、ユーザがARを通して見ている仮想空間上に重ね合わせることで、単にリアルとバーチャルを掛け合わせた映像を見るだけでなく、現実世界の物体の状態(温度や振動など、様々な物理情報)を、数値やグラフで可視化することができるのだ。

PTCではこの、現実世界のデータをIoTで吸い上げ、分析などを加える部分をIoTプラットフォーム「ThingWorx」が担当している。

つまり、デジタル・スレッドを実装することで、製造におけるビジネスプロセス全体を最適化し、コスト削減や品質工場も可能となるのだ。

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