移動困難の問題
続いて美濃部副市長は市内における移動困難の問題について語った。
静岡市は北を南アルプス南端部に、南を駿河湾に囲まれており、限られた平野部に人口の大半が住居している。

そのため、郊外の住宅地や過疎化した山間部では交通手段が限られ、バスや自家用車での移動に頼る状態とのことだ。
一方で、人口減少による利用者減や、バス運転士の不足などによって路線バスの運営維持が困難になるなど、他の地方都市と同様に、路線バス利用者の利便性が低下しているという。
AI相乗りタクシーの実証実験を実施
そこで静岡市が移動困難の問題に対して提案したのが、相乗りタクシーなどオンデマンド型交通システムの導入だ。
これについて、静岡市では既にAI相乗りタクシーの実証実験を2019年2月に行っている。

これは利用者がスマートフォンのアプリで乗降場所や時間を指定し、複数の乗客を乗せてもAIが最適なコースを選んで提案する、というもの。
実証実験では静岡市内住居者100人を対象にしたものと、清水港に寄港するクルーズ船の乗客を対象にしたものの2パターンが実施された。
オンデマンド型の交通への取り組みについて、例えば住宅地は交通業者に任せ、山間部についてはNPOや近隣住民による運行を行うなど、運行主体についても検討を重ねていくと美濃部副市長は述べた。
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1986年千葉県生まれ。出版関連会社勤務の後、フリーランスのライターを経て「IoTNEWS」編集部所属。現在、デジタルをビジネスに取り込むことで生まれる価値について研究中。IoTに関する様々な情報を取材し、皆様にお届けいたします。