公共交通主体の社会へ転換を目指す取り組み
自家用車依存度の高さが招く高齢者の諸問題を解決するために、前橋市では以下のような取り組みに着手し、公共交通機関のサービスを向上させることで、公共交通主体の社会へ転換を目指しているという。
幹線道路までのオンデマンド型運行の構想
1つは自宅から幹線道路までのオンデマンド型運行の構想。
高齢者の場合、公共交通機関と接続する幹線道路までの移動が難しい。そのため、幹線道路までのラストワンマイルをオンデマンド型の運行サービスでつなげる構想を立てているという。
AI配車システムの研究
2つ目はAI配車システムの研究。

こちらはすでに具体的取り組みを始めており、2018年11月よりNTTドコモの「AI運行バスシステム」を利用して、市内の大胡・宮城・粕川地区で運行する「ふるさとバス」に試験導入をしたという。
このシステムではスマートフォンのアプリを利用することで乗降するバス亭や乗車希望時間を指定することができるという。
営業路線バスでの自動運転実証実験
3つ目は自動運転バスの実証実験である。

こちらもAI配車システムと同様、すでに2018年12月から2019年3月の4か月間で実験を行ったという。
実施したのは上毛電鉄中央前橋駅からJR前橋駅を走るシャトルバスで、一般乗客に運賃を払って乗車してもらい実験を行ったとのことだ。
こうした自動運転が実用化されれば、バス運営側の人手不足問題は解消され、高齢者の移動手段である路線バスを安定して運営することができるだろう。
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1986年千葉県生まれ。出版関連会社勤務の後、フリーランスのライターを経て「IoTNEWS」編集部所属。現在、デジタルをビジネスに取り込むことで生まれる価値について研究中。IoTに関する様々な情報を取材し、皆様にお届けいたします。