製造業におけるAI導入
トーア紡の事例紹介に続いて、KYOSO・辻氏は自社のAI取り組み例を紹介しながら、製造業におけるAI導入に対する意見を述べた。
人物+商品認識アプリの開発
講演内で辻氏が紹介したのは、開発中の動画認証アプリである。
これはディスプレイに表示されている人影と商品の影に、自分の体を合わせるだけでAIが人物と商品を認識するというものだ。
AIが影に重なった顔とペットボトルの画像を認証し、画像が合致すればディスプレイ上に商品名と人物名が合っているかどうかの確認ダイアローグがでてくる。
KYOSO・辻氏によれば、このアプリの特徴はエッジとクラウドのハイブリットにあるとのこと。つまり物体(商品)認識はエッジコンピュータ側で行い、人物認識に関してはクラウドコンピューティング側で処理を行うという。
製造業におけるAIの使いどころ
ただし、こうしたAIの活用を万能のように思ってはいけない、とKYOSO・辻氏は述べる。
例えば先ほど紹介したAIアプリにしても、顔と商品を認識させるために何百枚もの画像を学習させる手間があるように、なんでもかんでもAIを導入するだけでは、得られる効果とコストが合わないという。
その上で、製造業での利用においても、導入できるところとできないところを見極める必要があることを辻氏は述べた。

辻氏が例として挙げたのが、トーア紡の紡績機械が並ぶ光景。機械が作動していない場合はイエローのマークが表示されているのだが、例えば機械の様子をカメラでモニタリングし、マーク表示の可否から稼働状況をAIに解析させることはできるだろう、という。
このように製造業でもAIの使いどころを上手く検討すべきである、と辻氏はAI導入について意見をまとめた。
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1986年千葉県生まれ。出版関連会社勤務の後、フリーランスのライターを経て「IoTNEWS」編集部所属。現在、デジタルをビジネスに取り込むことで生まれる価値について研究中。IoTに関する様々な情報を取材し、皆様にお届けいたします。