NTTとNEC、5G向け無線モバイルフロントホールの実証実験を実施

現行の4G(LTE)で導入されているC-RAN(※1)構成の集約基地局(以下、CU)とリモート局(以下、DU)の間の通信には、主に光ファイバが用いられており、CPRI規格(※2)によって所要伝送容量などの条件が規定されている。

一方5Gでは、高速・大容量通信を実現するため、広い帯域幅と多数のアンテナ素子を活用してデータを送受信するMassive MIMO技術が有効だが、CPRI規格に準拠するとモバイルフロントホール(以下、MFH)(※3)での伝送容量が従来のLTEと比べて大幅に増加する。例えば、アンテナ素子数128個(64送受信機)、帯域幅100MHzの超多素子アンテナを備えたDUの場合、CPRI規格では約320Gbpsの伝送容量が必要だという。

これはLTE基地局(アンテナ素子数2個、40MHz帯域幅)の60倍以上に相当し、このようなMFHの通信を現在一般的に使用されている10Gbpsの光ファイバで行うためには、多数の光ファイバの設置や多重化などが必要でその敷設場所の確保や敷設費用が課題となる。 また、高い周波数帯を使用する5GではDUを高密度に設置することが有効とされているが、DUの数が増えるとMFHとして利用する光ファイバも増加する。

今回、日本電信電話株式会社(以下、NTT)と日本電気株式会社(以下、NEC)は、5Gシステム実現に向けた総務省委託研究「第5世代移動通信システム実現に向けた研究開発~高周波数帯・広帯域超多素子アンテナによる高速・低消費電力無線アクセス技術の研究開発~」の枠組みの中で、株式会社NTTドコモの協力のもと、5G向けに無線MFH伝送の実証実験を実施した。

通常、MFHの無線化に用いる10Gbps伝送可能なミリ波高速無線伝送装置は、ビル壁面や街灯等に設置する場合、アンテナを含めた装置全体の小型化が必須となる。

一般的にアンテナを小型化するとその指向性は広くなるため、無線MFH区間で送受信される信号には、建物等で反射した信号や、同じ周波数を使用する別の無線装置からの信号等の不要信号が混入し易くなる。加えて、DUは高密度に設置されることから、不要信号の影響は一層増大する。

そこで、品質低下が生じないための無線MFH区間特有のアンテナ設置条件を明らかにした。同実験ではNECの開発した5G向け4.5GHz帯対応のC-RAN構成の超多素子アンテナ基地局システムと汎用のミリ波高速無線伝送装置を使用し、システム内のCUとDU間のMFHを、NTTが明らかにした無線MFH区間のアンテナ設置条件に基づいて無線化した。

そして、無線化したMFHを使用して5G伝送の実証実験を行い、光ファイバの有線MFHと同水準となる下り5Gbps以上のシステムスループットを達成し、5Gで求められる高速・大容量通信の要件を満たすことを確認した。
NTTとNEC、5G向け無線モバイルフロントホールの実証実験を実施

※1 CUが複数のDUを制御する基地局構成。
※2 基地局内のインターフェースの標準規格。
※3 CUと複数のDU間の無線伝送路。

Previous

ゼンリンデータコム、Wi-Fiを活用してタブレットへの言語出し分けを行う「インフォメーショントイレ」の実証実験を開始

KDDIとセイバン、IoTを活用した子供の安心・安全を見守るサービス「IoTみまもりサービス」を共同開発

Next