NTT Com、機密データの利活用を促進するクラウド型匿名加工サービスを提供開始

2017年5月の改正個人情報保護法全面施行に伴い、企業は個人情報を匿名加工情報(※1)に加工し一定の義務を守ることで、より積極的にデータを利活用することが可能になった。これにより、新たなサービスやイノベーションが生み出され、より良い社会への貢献が期待されている。

一方では多くの企業において、複数のクラウドを利用してITシステムを運用するハイブリッド・マルチクラウドの導入が進むことで、クラウドサービスの連携が複雑化し、情報漏洩などのリスクが高まることが懸念されている。特に、顧客データをはじめとする機密データをパブリッククラウドで管理することを不安に感じる利用者も多く、安心安全なデータ利活用サービスが求められている。

そこで、NTTコミュニケーションズ株式会社(以下、NTT Com)は、機密データの安心安全な利活用に必要となるデータの匿名加工サービスを提供開始した。なお、匿名加工サービスはNTTテクノクロス株式会社が提供する「匿名加工情報作成ソフトウェア」を活用している。

匿名加工サービスは、データによる企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)に必要な機能をワンストップで提供するNTT Comのプラットフォーム「Smart Data Platform」におけるデータセキュリティ機能である。企業向けクラウドサービス「Enterprise Cloud」上に顧客の機密データを蓄積し、適切に匿名加工情報に加工できる機能を月額料金モデルで提供する。詳しい特長は以下の通り。

  1. ハイブリッドクラウドでの安全なデータ利活用を実現
  2. 顧客は、Enterprise Cloud上に機密データを蓄積し、Smart Data Platformのインターコネクト機能を組み合わせることで、Microsoft AzureやGoogle Cloud Platformなどのパブリッククラウドとセキュアにデータ流通させることができる。これにより顧客は、パブリッククラウドの機械学習機能などを活用し、安全にデータ分析を行うことができる。

  3. NTT研究所独自のPk-匿名化(※2)を含む豊富な加工技法(※3)を利用可能
  4. 匿名加工サービスには、NTT研究所独自のPk-匿名化を含む35種類の加工技法を実装している。顧客は、データの利用目的に応じて最適な加工技法を選択可能な上、プログラミングなどの専門処理を行うことなく簡単にデータを加工することができる。

    加えて、加工後データの個人属性などが匿名化されたレベルを示す匿名性や、加工前データと比較した情報量損失レベルなどを示す有用性を相対的に評価し、可視化することができる(※4)。これにより匿名加工状況を確認しながら加工技法を選択することが可能となり、適切な匿名加工情報を生成することができる。

匿名加工サービスを利用することで、例えば医療業界では患者一人ひとりの臨床データを匿名加工し、分析することで、安全なデータ利活用が可能となり、新薬の開発や新たな治療計画などに役立てることができる。また、金融業界ではクレジットカード会社において顧客の属性や購買履歴データを匿名加工し、加盟店に提供することで、マーケティングへの活用や新サービスの開発に貢献する。

※1 特定の個人を識別することができないように個人情報を加工し、当該個人情報を復元できないようにした情報。
※2 データの一部分を確率的に書き換えるランダム化の処理と、元の状態を推定する再構築という処理により、理論的にk-匿名性(匿名化されたデータの安全性を示す指標の1つ)を満たしつつ、元のデータの統計的性質をなるべく保ったデータを作成する技術。
※3 35種類の加工技法には、属性やレコードの削除や一般化、k-匿名化をはじめさまざまなメニューを実装している。
※4 匿名加工情報の種類に応じて、15種類の評価技法により匿名性と有用性とのバランスをグラフで確認することが可能。顧客は、このグラフを参考にしながら加工技法の組み合わせを変えることで、独自の加工ルールを設定することができる。

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