NTT Comとクボタ、ディープラーニングを活用して稼働中のごみ焼却施設の蒸気量を予測する実証実験を実施

ごみ焼却施設においては、ごみが燃焼する際に発生する熱から高温高圧の蒸気をつくり、蒸気タービンを回転させることで発電を行う廃棄物発電が進んでいる。しかしながら、投入するごみの性質や形状により、蒸気量が変化することに加えて、蒸気量の制御に関係するパラメーターが多数存在しているため、蒸気量を制御することが難しく、安定的な発電ができていないのが現状である。

そこで、NTTコミュニケーションズ株式会社(以下、NTT Com)と株式会社クボタは共同で、稼働中のごみ焼却施設において、ディープラーニングを活用した実証実験を実施した。燃焼時に発生する蒸気量をリアルタイムに予測することで廃棄物発電の安定化を目指す。SDGs(※1)におけるエネルギー問題の観点から、ごみ焼却時に発生する熱を活用した廃棄物発電は注目されており、再生可能エネルギー創出の高度化、効率化に向けて取り組んでいる。

同実証実験では、NTT Comが開発したAI解析ツール「Node-AI」(※2)を用いて生成したごみ焼却の予測モデルを、時系列アトリビューション解析技術(※3)を使ってごみ焼却におけるさまざまな工程の可視化を行うことで、ごみ焼却に関するクボタの知見と照合することが可能になった。

これにより、約300のパラメーターの中から重要なデータを絞り込み、蒸気量の変化の傾向を捉えるための分析処理を行うことで、1分先のごみ焼却状況に関する予測モデルを生成した。加えて、この予測モデルを適用した予測システムを構築し、稼働中のごみ焼却施設に導入することで、運用者が常に1分先の蒸気量をリアルタイムにモニタリングできる環境を構築している。

※1 2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)の後継として、2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された2016年から2030年までの国際目標。
※2 2019年4月より運用しているGUI環境を用いたAI解析支援ツール。これまでプログラマーが自らコードを書いて行っていたAI解析を、Web上のGUI環境によりコードを書かなくても実施可能になる。これにより、これまで培ってきた分析フローの再利用、コーディングエラーの防止、ディープラーニングにおけるさまざまな工程を一貫して行うことができる。
※3 ディープラーニングを適用した予測モデルにおいて、予測結果に与える各入力の影響を数値化することが困難という問題に対し、時間変化する各入力の影響を可視化する技術。今回の実験では、「どの程度の遅れ時間をもって」「正負のどちらの方向に影響を与えるのか」を可視化し、専門家の知見と照合した。

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