ISIDと立命館大学、革新的な新商品・新サービス創出のための「意味のイノベーション」を支援するITサービス共同研究を開始

ものが溢れる現代において、機能や性能を高めるだけで商品を差別化することが困難になりつつあり、それに代わる新たな競争力の源泉を獲得することが、日本企業における新たな課題となっている。その解決の方向性の一つとして挙げられるのが、商品やサービスの利用を通じて得られる「体験価値」の向上である。

体験価値の向上を実現する有効な理論の一つである「デザイン思考」は、ユーザーに共感し徹底的に観察することで得られるアイデアを、より良い商品・サービスの創出につなげるアプローチ方法で、日本でも多数の企業が取り入れている。

一方、革新的な商品・サービスを生み出すためには、ユーザーが期待するものだけでなく、ユーザーも気づいていない新たな商品やサービスの意味を問いかけ、世の中に提案していくことが必要とされている。

そこで重要となるのが、企業や開発者が秘めている内なる想いを起点にビジョン(意味の方向性)を打ち立て、それを実現するアイデアを導いていくアプローチだ。これを実践するための理論の一つとして欧州を中心に研究が進んでいるのが「意味のイノベーション(※1)」である。

立命館大学 デザイン科学研究センターDML(以下、立命館大学DML)では、企業が「意味のイノベーション」を実践するための知の体系化を進めている。また、株式会社電通国際情報サービス(以下、ISID)は、製品開発における構想設計(※2)業務支援システム「iQUAVIS(アイクアビス)」の開発・提供を通じ、設計開発の初期段階において技術者の思考を「見える化」することで、製品開発を支援してきた。

そして今回、ISIDと立命館大学DMLは、革新的な新商品・新サービス創出のための「意味のイノベーション」を支援するITサービスの共同研究を2019年12月まで実施することを発表した。今回、ISIDと立命館大学DMLのそれぞれの知見を掛け合わせることで「意味のイノベーション」を通じた革新的な商品・サービスの創出を支援するITサービスのあり方を研究する。

また、共同研究の一環で、ISIDは立命館大学が運営する「EDGE+R(エッジプラスアール)(※3)」プログラムに対して、「iQUAVIS」の提供・活用サポートを実施する。この取り組みを通じて「意味のイノベーション」を支援し、革新的な商品・サービスを創出するためにITサービスがどのように貢献できるかを探る。

※1 イタリア・ミラノ工科大学のロベルト・ベルガンティ教授が、著書「突破するデザイン」で提唱した理論。企業や開発者がビジョン(意味の方向性)を打ち立て、商品・サービスに新しい「意味」を与えることでイノベーションを促す。欧州連合(EU)のイノベーション政策は、デザイン思考と意味のイノベーションが両輪として採り入れられている。
※2 製品に求められる機能・性能を実現するために、実現方式、主要部品の構成・能力などを検討し、大まかな設計諸元を決めていくプロセス。CAD等を使う詳細設計の前段階として実施される。
※3 文部科学省次世代アントレプレナー育成事業(EDGE-NEXT)に採択された、立命館大学が提供するイノベーション・アーキテクト養成プログラム。起業や新規ビジネスなどのアイデア創出を目指す学生が学部の垣根を越えて参加している。参加学生は、同プログラムで様々なイノベーション理論の学習と実践を通じて、アイデア創出に挑んでいる。

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