ソフトバンク、コロンビア共和国におけるコメ栽培の生産性向上への取り組みに農業AIブレーン「e-kakashi」を納入開始

コロンビアをはじめとするラテンアメリカ・カリブ海地域(以下、LAC地域)の国々は広大な土地を有しており、農業分野において大きく成長する可能性があるが、農業は膨大な水を消費するため環境負荷が高く、ICTなどの新しい技術によって、資源を効果的に活用することで生産性と持続可能性を両立することが求められている。

そのような中、ソフトバンク株式会社は米州開発銀行(The Inter-American Development Bank)グループの研究所であるIDB Labが支援する、コロンビア共和国におけるコメ栽培の生産性・持続可能性向上への取り組み「スマートライスファーミングプロジェクト(Smart Rice-Farming)」に、ソフトバンクの農業AIブレーン「e-kakashi(イーカカシ)」を納入し、2019年11月から稼働を開始する。

同プロジェクトは、国際熱帯農業センター(International Center for Tropical Agriculture)(以下、CIAT)主導の下、少ない水量と肥料で育つ省資源型イネの栽培ノウハウを電子マニュアル化し、種子と共にLAC地域へ普及させることを目的としている。

e-kakashiは、2017年からコロンビアにあるCIATの試験用水田において試験導入された実績があり、これまでの知見を生かして、同プロジェクトのICTソリューションとして稼働する。同プロジェクトでは、CIATおよび現地の精米会社、稲作農家などと共同でe-kakashiを活用した実証実験を行った後、コロンビアをはじめとするLAC地域全体において商用レベルで普及させることを目指す。

同プロジェクトは2つのフェーズに分かれて進む。フェーズ1では、コロンビアのカウカ県とバジェ・デル・カウカ県にある3軒の稲作農家(計213ヘクタール)にe-kakashiを設置し実証実験を行う。CIATやソフトバンク、地元の精米会社等と共同でe-kakashiの効果検証を行いながら省資源型イネの電子マニュアルを作成する。フェーズ2はフェーズ1の研究結果を基に、対象地域をコロンビアのアラウカ県やカサナレ県へ広げ、コメ以外の農産物にも対象品目を拡大する。

また、同プロジェクトにおけるe-kakashiの期待される効果は以下の通り。

  1. 栽培環境のデータ収集・分析による、栽培ノウハウの電子マニュアル化および生産性の向上
  2. 省資源型イネの普及を促進させるためには、種子だけでなく栽培ノウハウも併せて普及させる必要がある。e-kakashiは、膨大なほ場の環境・気象情報を収集して栽培環境を「見える化」するだけでなく、作業情報とひも付けることで電子マニュアル化を可能とし、栽培ノウハウの共有が容易になる。

    また、植物科学の知見を積んだAIが生育ステージごとに重要な生長要因や阻害要因を特定し、具体的な対処法をナビゲートするのでリスク回避が可能になり、生産性の向上が見込める。

  3. 水資源の有効活用、メタンガス排出量の削減への貢献
  4. 農産物の生産には多量の水が必要とされるだけでなく、世界の水田から年間5億トンのメタンガスが放出されているといわれており、これは人間活動を通して排出されるメタンガスの約20%に相当する。高温かつ水流の滞った水田はメタンガスを発生しやすくなるため、水の管理技術が確立されていないLAC地域においては、水管理の適正化が急務とされている。e-kakashiは、イネの生育ステージ別に適切な水位をナビゲートできるため、水資源の有効活用およびメタンガス排出量の削減に貢献する。

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