NECがスマートシティ・アーキテクチャの構築に向けた内閣府SIPを受託、システム間連携の実証研究を実施

国家戦略である未来社会像「Society 5.0(※1)」の社会実装を進めていくためには、先進技術を活用した街づくりを通じて、地域が抱える社会課題を解決しイノベーションを推進していくことが重要である。

日本電気株式会社(以下、NEC)はこれまでも生体認証、AI、IoTといったテクノロジーを駆使し、国内外の自治体でスマートシティ・プロジェクトを展開してきた。例えば、富山市と高松市では、FIWARE(※2)を活用したスマートシティ向け「データ利活用基盤サービス」を提供し、データ流通のための基盤整備を行っている。

今般、NECは内閣府が実施し国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が管理法人を務める「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第2期/ビッグデータ・AIを活用したサイバー空間基盤技術におけるアーキテクチャ構築及び実証研究」の研究開発項目「スマートシティ分野:実証研究の実施」の委託先に採択された。

今後、富山市と高松市においてこれらの情報基盤を活用し、交通・観光・防災の都市内システム間連携、および、他地域への都市外システム間連携による都市のさらなるスマート化を図る。

合わせて、NEC他で受託した同内閣府SIP事業の研究開発項目「スマートシティ・アーキテクチャ(※3)構築に関する研究開発」とも連携し、両市での実証成果をスマートシティ・アーキテクチャの構築へと反映させるべく、2019年11月~2020年3月まで下記の2つの実証研究事業を実施する。

  1. 民間事業者含む都市内の異なるシステム連携による分野横断サービスの実証研究
  2. 富山市、高松市はともに中核都市かつコンパクトシティ先進都市であり、公共交通インフラを軸とした公共交通沿線地区への居住推進、中心市街地の活性化(富山市)や、公共交通ネットワークの再編および交通系ICカードを活用した利用促進施策の実施(高松市)を進めている。

    同実証研究を通じて、NECは富山市内及び高松市内の施設、店舗等の情報提供システムと公共交通経路検索システムを連携させ、市民や観光客の公共交通利用の利便性および回遊性の向上を目指す。

    具体的には、ジョルダン株式会社とともに、鉄道・バス・徒歩・LRT(次世代型路面電車システム)・レンタサイクル等の様々な公共交通手段を組み合わせた「マルチモーダル検索」を実現し、公共交通のリアルタイム位置情報、施設・店舗等の観光・商業情報を両市の既設のデータ利活用基盤サービスに接続することで、データを連携させる。

    例えば、市民や観光客に対して、地元店舗の販売情報(タイムセールや商品できあがりのお知らせ等)と合わせて、当該店舗までの効率的な移動方法を情報提供していく。さらに、MaaS等の新たなモビリティサービスが登場する中で、データ利活用の観点から、国際標準等に基づいたデータモデルやAPIの標準化を考慮したアプリケーション/サービスの各都市への適用の効率性を検証する。

    同実証研究の成果はスマートシティ・アーキテクチャの構築へ反映する。日本版MaaSの実証事例として、交通・観光を核とした地域の課題解決モデルを確立し、他都市への展開を目指す。NECがスマートシティ・アーキテクチャの構築に向けた内閣府SIPを受託、システム間連携の実証研究を実施

  3. 異種システム連携による都市サービス広域化(高松広域-防災)と複数都市間のデータ連携の実証
  4. 高松市では、周辺自治体と瀬戸・高松広域連携中枢都市圏を形成し、圏域連携での行政サービス向上に取り組んでいる。高松市が位置する四国の沿岸部には人口や諸機能が集積しており、南海トラフ地震や水害等の自然災害への対策が求められている。そこでNECは、高松市および周辺自治体と防災、交通、気象関連のシステムやデータを連携させ、広域で防災対策の共同利用を検証する。

    具体的には、高松市、周辺自治体の防災関係者が迅速な情報共有を図り、相互に協力しながら被災地・被災者支援対策を行えるように、河川水位や降水量、交通渋滞・規制情報など防災・減災に必要なデータを収集・連携させるためのデータ利活用基盤サービスを構築する。

    同実証研究では、データやサービスが他地域でも利用可能となるよう、スマートシティ・アーキテクチャ構築において検討される内容を踏まえ、都市間のシステムを連携して、情報サービスを相互に再利用できる仕組みの研究を行う。

    また、同内閣府SIP事業の研究開発項目「スマートシティ分野:実証研究の実施」採択事業者による実証研究都市すべてを繋ぐデータハブを構築し、スマートシティ・アーキテクチャ構築による都市間連携の実現可能性を検証する。NECがスマートシティ・アーキテクチャの構築に向けた内閣府SIPを受託、システム間連携の実証研究を実施

※1 デジタル革新と多様な人々の想像・創造力の融合によって、社会の課題を解決し、価値を創造する社会であり、国連の持続可能な開発目標(SDGs)の達成にも貢献するもの。
※2 FI(Future Internet)WARE(次世代インターネット基盤ソフトウェア)。FI-PPPが次世代インターネット技術における欧州の競争力強化と、社会・公共分野のスマートアプリケーション開発を支援するために、開発した基盤ソフトウェア。FIWAREの仕様はオープンかつロイヤルティフリーで、オープンソースソフトウェアによるリファレンス実装と、オープンAPIを持つ。FIWAREが実装するオープンAPIは、「NGSI」のコンテキスト管理に係るインタフェース「NGSI-9/10」で、データ流通やデータモデルなどの仕組みを標準化したベンダーニュートラルな仕様であり、既存の各種IoT基盤と並立して業種を超えたデータの相互利活用を促すもの。
※3 スマートシティの共通設計図かつ運用マニュアル。共通のアーキテクチャを開発することで、他の地域で生み出されたサービスをスムーズに自分の地域に取り込むことが可能になる。

Previous

JR東日本など、「2019年度JR東日本管内のBRTにおけるバス自動運転の技術実証」実施

HAPSモバイル、成層圏通信プラットフォーム向け無人航空機「HAWK30」の2度目のテストフライトに成功

Next