テクノロジーでごみ問題を解決しスマートシティへ

初期のスマートシティの事例として有名なのが、スペイン、バルセロナ市のゴミの収集への取り組みだ。

バルセロナでは、道路わきに置かれたごみ収集箱に、近隣の住民がごみを捨てていくのだが、このごみを回収するクルマが回収作業中道路をふさいでしまい、渋滞が起きるという問題が起きていた。

そこで、ごみ収集箱にセンサーを付け、収集箱のなかのゴミの量を検出、回収すべきタイミングを教えてくれることで、無駄なごみ回収を減らし、渋滞も解消する、CO2と削減にも貢献する、という取り組みを行っているのだ。

こういった事例を受けてか、最近ではIoTを活用し、スマートシティの一環として、ごみ収集に関する取り組みが国内の各地でも行われるようになっている。

ごみ収集における最適化

川崎市でもバルセロナと同様の取り組みが進んでいる。

産業処理ごみ回収ボックスにセンサーをつけることで、ごみ回収ボックス内の積載量を見える化する。見える化したことによって、街じゅうの各回収ボックス内の溜まり具合から、最適な回収ルートを業者へ伝えるといった取り組みだ。

取り組みの結果、川崎市では、約16%の走行距離短縮を実現できたという。

近年では、物流にかかわるトラック運転手不足という背景もあって、回収ルートの最適化はそういった人で不足という課題も解決する可能性がでてきた。

[関連記事]広がるデータ連携基盤「FIWARE」によるスマートシティへの取り組み ―NECインタビュー

ゴミ収集車と住民で地域情報も収集

次は、ごみ収集車に取り付けたドライブレコーダーで、街中ごみの量を撮影、取得した画像に対してAIを使ってごみの量を計算するという取り組みだ。

もともと地域で見つかった不法投棄を報告する窓口が、電話かFAXしかなく担当者が回収するまで時間がかかっていたことや、地域における路面補修の確認で街じゅうをくまなく確認することが難しいといった背景があった。

それを今回、ごみ収集車にドライブレコーダーをつけることで、ドライブレコーダーで読み取った「ごみの数」でごみ収集最適化が実現できたのだという。

加えて、不法投棄報告窓口を、電話、FAXから住民から不法投棄場所の写真を「不法投棄報告アプリ」経由で送ってもらうようにしたところ、当日対応が可能になったという。

ごみ収集車と住民が、センサーとなることでごみへの取り組みだけでなく、街をより快適にするための取り組みが行われた事例だ。

[参考]
東京労働局:全国の実証実験事例集

自動産廃判別を行うロボットの取り組み

さて、今度は収集されたごみに関する事例だ。

収集されたごみは、分別されて各ごみにあわせた処理方法で処理される。しかし、その分別過程においてロボットで自動判別を行う取り組みにチャレンジしている企業がある。

シタラ興産は、屋内型混合廃棄物選別施設「サンライズFUKAYA工場」へ、フィンランド製の産廃自動選別ロボット「ゼンロボティクスリサイクラー(ZRR)」を国内で初めて導入した。

ゼンロボティクスリサイクラー(ZRR)
ゼンロボティクスリサイクラー(ZRR)

従来のやり方では分別に要する職員は18人必要だったが、この選別ロボットを活用することで、現在では人手を2人に減らすことに成功したという。

シタラ興産では、建築現場で発生する混合廃棄物を分類している。おおよそは現場で分別できるが、一部どうしても分別ができないものがあり、その部分を担うのがシタラ興産の判別ロボットだ。

産業廃棄物には同じ色味でも、素材が違うものもある。そこで、こういった廃棄物の差異をロボットに学習させることを何度も行っているということだ。

ごみの処理方法は素材によって大きく違うため、時には事故につながることもある。

事故を避けるためにも必要な取り組みというわけだ。

[参考] シタラ興産

撮った画像で、粗大ごみ種類を判別する横浜市の取り組み

横浜市では、粗大ごみの受付チャットボットに利用者が捨てたいものの画像を送ると分別種類を教えてくれるサービスを行っている。

横浜のごみ認識アプリ
実際に、オフィスの椅子の写真を送ると椅子と判別できた。いろいろ試したが、比較的うまく判別できるのは、粗大ごみとして登録があるものに限るようだった。そのため、紙ごみ等は認識されなかった。

実際に試してみたところ、本来は、粗大ごみ用であるためか、一般ごみはなかなか認識されにくかった。

また、棒状のものも判別が難しく、傘を撮ったところ正しく判別できなかった。

粗大ごみにおける分別の難しさは、筆者も困った経験があったので精度がよくなれば、ぜひ自分の住む地域でも導入されてほしいと感じた。

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