AWS、5Gネットワークを活用したコンピューティング・ストレージサービス「AWS Wavelength」を発表

Amazon.com, Inc.の関連会社であるAmazon Web Services, Inc.(以下、AWS)のインフラストラクチャは、22のAWSリージョンによる69のアベイラビリティゾーンで構成されており、開発者はエンドユーザーに対し、低遅延のサービスを提供できる。

しかし、ゲームのストリーミング、仮想現実、リアルタイム・レンダリングなどの最新の双方向型アプリケーションでは、モバイルネットワークを通じたエンドユーザーやデバイスに対する遅延が1桁ミリ秒という超低遅延が要求される。さらに、産業用オートメーション、スマートシティ、IoT、自動運転車などのユースケースも、デバイスの消費電力や帯域幅などのリソースを節約するため、データソースの近くでデータ処理を行う必要がある。

5Gネットワークは4Gに比べて最大20倍の高速化を実現しており、サポート可能なデバイス数を大幅に増加できると同時に、モバイルデバイスのネットワーク遅延を小さくすることができる。しかし、5Gが実用化したとしても、インターネット経由でアプリケーションに接続する場合、モバイルデバイスはこれまでと同様、複数のネットワークホップを経由する必要がある。

現行のアプリケーション・トラフィックは、デバイスから携帯電話の基地局、メトロ・アグリゲーション拠点、リージョナル・アグリゲーション拠点、インターネットまでを経て初めて、AWS環境で実行されるリソースにアクセスできる。こうしたネットワークホップにより、100ミリ秒以上の遅延が発生することもある。開発者にとっては、5Gの潜在能力をフル活用し、低遅延のユースケースに対応することは困難だという。

そのような中、AWSはコンピューティング・ストレージサービス「AWS Wavelength」を発表した。これにより、5Gネットワークを通じて、エンドユーザーに1桁ミリ秒遅延のサービス提供に向けたアプリケーション開発機能を開発者へ提供することが可能となる。

AWS Wavelengthは、通信事業者の5GネットワークのエッジにAWSのコンピューティングサービスとストレージサービスを組み込んだもので、開発者はエッジでの機械学習推論、産業機器、スマートカーやスマートシティ、IoT、AR/VRといった超低遅延を必要とするユースケースに対応することができる。

また、AWS WavelengthはAWSの性能を5Gネットワークのエッジにもたらすため、開発者は超低遅延が求められるアプリケーションの一部を5Gネットワーク内に展開し、AWS環境で実行される残りのアプリケーション部分やその他のクラウドサービスとシームレスに接続させることが可能だ。AWSの顧客企業は今後、これまでと同様に使い慣れたAWSのAPI、ツール、機能性を利用して、世界中の5Gネットワークのエッジで低遅延アプリケーションを実現できます。

さらに、遅延が1桁ミリ秒のサービスをモバイルユーザーに提供し、自社のアプリケーションを最適化することで、工場、店舗、自動車、家庭など、多種多様なプラットフォームの事例に対応できる。

こうしたアプリケーションを5Gのエッジに搭載するには、開発者はAmazon Virtual Private Cloud(VPC)を拡大してWavelength Zoneを組み込み、Amazon Elastic Compute Cloud(EC2)インスタンスやAmazon Elastic Block Storage(EBS)ボリューム、AWS Elastic Container Service(ECS)、Amazon Elastic Kubernetes Services(EKS)コンテナなどのAWSリソースを作成することで実現する。

加えて、開発者はAWS CloudFormationやAWS Identity and Access Management(IAM)、AWS Auto Scalingなどのアプリケーションを管理、保護、スケーリングを実現するAWSサービスを引き続き利用できる。これにより、分析、IoT、機械学習、ゲームのストリーミング、AR/VRなど、低遅延が要求される様々なアプリケーションを容易に実行できる。

なお、AWS Wavelengthの全米展開に向けてAWSはVerizonと提携しており、現在はVerizonのモバイル・エッジ・コンピュート(MEC)ソリューションである5G Edge上で、一部顧客によるAWS Wavelengthのパイロットテストをシカゴで実施している。さらに、2020年には欧州、韓国、日本でもAWS Wavelengthを提供開始するため、AWSはVodafone、SK Telecom、KDDIなどの通信事業者と協力する。

これらの通信事業者の5Gネットワークを組み合わせることで、アプリケーションと新サービスを提供できる環境の構築に繋げる。AWS Wavelengthを使用する開発者は、これらの新機能を通じ、データソースのより近い環境でデータを処理することができる。

Previous

ソフトバンク、スマートフォンや家電の使用状況から一人暮らしの安否を確認できる「みまもりサービス」を提供開始

さくらインターネット、総合行政ネットワーク「LGWAN」に接続して地方公共団体を支援するサービスを提供開始

Next