NEC、AIを活用した金融のリスク・不正対策の効率化を支援するソリューションを販売開始

近年、デジタル技術を用いた金融サービスが創出され、金融取引の高度化が進んでいる。一方、金融サービス提供者は、巧妙化する不正取引対策のため、膨大な情報の中から一定の基準に基づき不正の疑いのある取引を専門家が調査・分析しているが、人材不足や審査業務の属人化、高齢化などが課題となっている。また、デジタル時代のAI適用においては従来の規制枠組みのみならず、業界団体等による自主ガイドラインなどの策定推進が有効と考えられている。

そのような中、日本電気株式会社(以下、NEC)は、証券業界及び関連IT企業等約60社が参加する「証券コンソーシアム」内に立上げられた「共通事務ワーキンググループ 売買審査AI適用サブワーキング」の事務局として、証券7社が参加したAI試行検証の運営、売買審査へAI適用する際に証券会社の拠り所となるホワイトペーパー作成などを推進してきた。

そして今般、NECはAI技術を活用し、証券・銀行・保険などの金融取引におけるリスク・不正対策業務の効率化を実現するソリューションを順次販売していく。その第一弾として、証券業界向けに、不公正取引の審査業務を支援するクラウドサービス「NEC AI売買審査支援サービス」を提供開始した。既に株式会社SBI証券による採用が決定しており、2020年1月より運用開始を予定している。

同サービスは、NECのAI技術群「NEC the WISE」のディープラーニングで予測する「RAPID機械学習技術(※1)」と、膨大なデータに混在する多数の規則性を発見して分析結果の根拠を可視化できる説明可能AI「異種混合学習技術(※2)」を活用することで、株式取引における見せ玉や仮装売買などの不公正取引度合をAIが検出するとともに、その判定理由も出力する。詳しい特長は以下の通り。

  • 売買取引の中から不公正取引の可能性をAIがスコアリング
  • RAPID機械学習技術を活用し、全ての取引データを対象に不公正取引の可能性をスコアリングする。これにより、従来1件1件手作業で審査担当者が調査・分析していた売買取引の最終審査を支援し、審査業務の効率化・高度化に貢献する。

  • AIが導き出したスコアリング分析結果の根拠が説明可能
  • 異種混合学習技術を活用することで、スコアリングなどの分析結果だけでなく不正と判断した根拠もAIが導き出すことが可能だ。

  • SBI証券の業務ノウハウとNECのAI活用ノウハウを融合しクラウドサービス化
  • 約495万の証券総合口座数を有するSBI証券の審査ノウハウとNECのデータサイエンティストのノウハウに基づいたAI予測モデルを採用しており、AWSのセキュアなクラウド環境上で分析を行うことで、既存システムの環境に捉われることなく、効率的にサービス導入が可能だ。また、今後の機能追加としてインサイダー取引審査への対応など機能拡充なども予定している。

これにより、審査担当者が従来人手で行っていた株式取引の審査業務を効率化し、審査担当者はより複雑な不正手口の調査・分析に取り組むことが可能となる。

※1 ディープラーニング技術を搭載し、事前に手本となるデータを読み込むことで傾向を自動で学習するため、データの分類/検知/推薦などの判断が可能。また、大規模なマシンリソースを必要とせずにサーバ1台から分析処理ができるため、幅広い業務や企業への適用が可能。
※2 ビッグデータに混在するデータ同士の関連性から、多数の規則性を自動で発見し、分析するデータに応じて参照する規則を自動で切り替える技術。これにより、単一の規則性のみを発見し参照する従来の機械学習では分析が困難な、状況に応じて規則性が変化するデータでも予測や異常検出が可能。

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