KDDIなど、ブロックチェーン上に発行したデジタル通貨の処理を自動化する共同検証を実施

昨今、ブロックチェーンを活用したさまざまな取り組みが始まっている。これに伴い、ブロックチェーン上の取引と親和性が高くプログラム制御が容易な決済手段のニーズが生じている。これらのニーズを満たす決済処理技術を確立することで、ブロックチェーンの特性を生かしたダイナミックプライシングやリアルタイム決済の普及を後押しすることができる。

そこで、KDDI株式会社、auフィナンシャルホールディングス株式会社、株式会社ウェブマネーは、「スマートマネー構想」の実現に向けて、フィンテックを活用した新サービスの研究を進めている。スマートマネー構想とは、KDDIグループ各社の連携によりスマートフォン・セントリックな決済・金融体験を総合的に提供する構想を指す。

今回、KDDI、auフィナンシャルホールディングス、ウェブマネー、株式会社ディーカレットは、本日から2月28日の期間、ブロックチェーン上に発行するデジタル通貨の処理に関してスマートコントラクトを用いた共同検証を実施する。

スマートコントラクトとは、送金や決済といった取引に伴うさまざまな処理を自動化する仕組みのことだ。今回の共同検証では、通貨の発行から流通、加盟店での売上金の精算による法定通貨への償却といった、独自デジタル通貨の発行管理に関する一連の業務プロセスを可能な限り自動化する技術検証を行い、将来的な実用化に向けた課題の洗い出しを行う。

具体的には、ディーカレットが構築したブロックチェーン上でデジタル通貨を発行・管理するプラットフォームを活用して、デジタル通貨の発行、流通、償却について検証を行う。auフィナンシャルホールディングスの子会社で資金移動業登録業者であるウェブマネーが、共同検証でのデジタル通貨を発行して、発行されたデジタル通貨をKDDIが共同検証の参加者に配布する。

参加者は、共同検証用に用意したカフェでデジタル通貨を用いた決済を行う。また、カフェでの購入代金は、前日との気温差に応じて、低い場合はホット飲料の値段を下げるなど自動割引の有効性も合わせて検証する。

各社の役割は以下の通り。

  • KDDI
    デジタル通貨の発行依頼をウェブマネーに出し、発行された通貨の流通を行う。
  • auフィナンシャルホールディングス
    プロジェクト全体の進捗管理などを行う。
  • ウェブマネー
    資金移動業者の登録に基づき共同検証で利用するデジタル通貨を発行する。また、同検証の終了時には発行した通貨の償却を行う。
  • ディーカレット
    デジタル通貨の発行・管理を可能とするプラットフォーム、また共同検証で利用する決済用ツールを提供する。

この共同検証の成果をもとに、今後、4社は、プラットフォームの活用およびブロックチェーン上に発行するデジタル通貨の普及に向けて、さまざまな検討を行うとした。

なお、2019年7月にKDDIからディーカレットに出資を行い、今回の共同検証は出資時の目的である「デジタル通貨ビジネスの推進および新たな顧客体験価値の創出」に関する取り組みの一環となる。

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