多言語AIチャットボット・SaaS型予約エンジンで、ホテルの顧客満足度を向上する ―tripla 鳥生氏・高橋氏インタビュー

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オンライン旅行会社の予約サービスより、ホテルの公式サイトからの予約料金がベストレートになる仕掛け

小泉:先ほど「ホテルの公式サイトからの予約率を上げたい」という事をおっしゃっていましたが、これに関してはどのように対応しているのでしょうか。

高橋:オンライン旅行会社の予約サービスの料金と、ホテルの公式サイトの予約料金を比較し、公式サイトの料金が高い場合は、自動的にオンライン旅行会社の予約料金を調整する(一番安い価格になる)仕掛けを入れています。これにより、ホテルの公式サイトにおける予約料金を、確実にベストレートで提供し、予約率のアップに繋げます。

小泉:確かに料金が一番安ければ、公式サイトでの予約客が増え、ホテルはオンライン旅行会社に手数料を支払う必要が無くなります。

Googleで検索していても、最近はオンライン旅行予約会社の金額と、ホテルの金額が横並びで表示されますよね。

高橋:今までホテル業界は、このベストレート機能への取り組みに熱心ではありませんでした。その理由は2点あります。

1点目は、近年インバウンドで潤っていたため、提供価格について深く考える風潮が無かった事です。2点目は、ITに特化した人材を抱えられるホテルグループが少なかった事です。

赤丸部分がオンライン旅行予約会社との価格比較。ユーザーはこの部分を確認する事によって、公式サイトにおける予約が一番安い事に気付く
赤丸部分がオンライン旅行予約会社との価格比較。ユーザーはこの部分を確認する事によって、公式サイトにおける予約が一番安い事に気付く

小泉:今まで注目されていなかった点に目を付けたのですね。

高橋:はい。このサービスについては、今のところ競合がいない点がポイントです。

小泉:ベストレート機能以外にも、triplaホテルブッキングの特長はありますか。

高橋:あります。それはホテル会員登録への誘導です。

既存の予約システムにおいては、ホテル会員登録への誘導が徹底していませんでした。そこでtriplaホテルブッキングは、通常価格とホテル会員価格を併記し、「会員登録を行えば、この金額で泊まれます」という形で、会員登録を促します。なお、会員管理やポイント管理の仕組みも弊社で開発しています。

(右)IoTNEWS代表 小泉耕二
(右)IoTNEWS代表 小泉耕二

今後に向けた3つの施策

小泉:今後の展望について教えてください。

高橋:今後、弊社が取り組みたいと考えているテーマが3点あります。

1点目は「ホテル会員アプリを開発し、会員を増やす仕組みを作る事」です。

ホテルの公式サイトにおける予約率を引き上げるには、ホテルの会員数を増やす事が有効です。ホテルの公式サイトを経由した予約客を調査すると、その6割が会員メンバーである事が分かりました。つまり会員メンバーが増えれば、ホテルの公式サイトからの予約率を引き上げる事が出来るのです。

しかし、ホテルの会員を増やすためには、既存の会員プログラムを変える必要があります。例えば既存の会員プログラムでは、いちいち会員カードを持ち歩かなければいけない、といった難点があります。

そこで弊社では、チェーンホテルに向けて会員専用アプリのようなサービスの提供を構想しています。これならばカードを所持する必要がなく、ホテル限定の特典などをアプリで勧める事が出来ます。

小泉:2点目のテーマは何ですか。

高橋:2点目は「triplaチャットボットとtriplaホテルブッキングのシナジーを生み、ホテルのリピーター増加につなげる事」です。

triplaチャットボットの利用客は、ホテルの宿泊に関心を寄せている顧客であり、ホテル会員になる可能性も高い。

そこで、チャットの利用客に向けて会員登録を勧めます。さらにtriplaホテルブッキングで予約を行う際に充実した会員サービスを提供し、リピーターになってもらうように促します。

小泉:3点目のテーマは何ですか。

鳥生:3点目は「ホテルが所有するデータを活用し、ユーザーにより良いプランをプッシュ型で提案する仕組みを作る事」です。

ホテルは大量の顧客情報を取得していますが、現状それらを活用できていません。そこで、データを活用したプッシュ型のビジネスをホテルが展開できる仕組みを作ろう、と思っています。その際には、チャットボットサービスを活用し、ユーザーに合わせた情報を提供する事も考えています。

小泉:確かに、データに基づいた有益な情報を、チャットボットが教えてくれれば便利です。

鳥生:はい。特にホテル会員のようなユーザーであれば、そのようなサービスを期待するはずです。

高橋:現在、ホテル業界では、マーケティングアプローチがほとんどされていません。例えば出張の宿泊客を特定し、その客に向けてリピート利用を促す情報を伝える、といった事が出来ていません。既存のシステムが足枷になっているからです。ならば、その点を我々がサポートし、変えていくお手伝いをしたいと思います。

小泉:本日はありがとうございました。

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