富士通とBOOSTRY、異なるブロックチェーン間におけるデジタルアセット取引に成功

近年、あらゆるもののデジタル化に伴い、株式や債券などの有価証券だけでなく、様々な商品をトークン化(※1)したデジタルアセットの普及が見込まれており、2020年5月に施行された金融商品取引法の改正では、ブロックチェーン技術などでデジタル化された有価証券が電子記録有価証券表示権利と新たに定義された。これにより、小口取引が容易になり利用者の増加や新たなアセット商品の創出につながり、金融市場の活性化を促すことが期待されている。

しかし、それらを管理するブロックチェーン技術は、各事業者が異なるアーキテクチャーや独自の仕組みを実装している場合が多く、相互取引の実現を困難にするだけでなく利用者の利便性を低下させ、普及を阻害する可能性がある。また、決済においても口座振替やクレジットカード、ポイントなどの様々な事業者とシームレスな取引を行うことが今後必須となっている。

富士通株式会社と株式会社BOOSTRYは、ブロックチェーン上で管理する有価証券、バウチャー、会員権などのデジタルアセット(セキュリティトークンなど)取引の本格化を見据えた円滑かつ安全な権利移転モデルの確立を目指して、2020年3月から4月にかけてデジタルアセット取引と決済を権利移転する実証実験を行い、運用と技術の両面から課題を検討し検証を実施した。

同実証実験では、富士通のクロスチェーン技術(※2)「コネクションチェーン(※3)」を介して、BOOSTRYのブロックチェーンを活用した分散型資金調達プラットフォーム「ibet」と疑似的な資金決済網とを接続し、ibet内でデジタルアセットの権利移転とそれに伴う資金決済網内での決済に成功した。

ibetは、ブロックチェーン技術を活用した社債である「デジタル債」および「デジタルアセット債」(※4)の発行を実現する。セキュリティトークンやユーティリティトークンなどのトークン発行企業と投資家を直接つなげ、仲介者の役割を可能な限りスマートコントラクトで実装することで、仕組みや基盤の違いを事業者や利用者が意識しないシームレスな取引機会を提供している。

同実証実験により、異なるシステムとして構築された基盤同士をコネクションチェーンで相互接続し、円滑かつ安全に権利移転と決済を行えることを実証した。この結果を基に、複数の取引サービスを相互に接続するプラットフォームサービス提供に向けたビジネスモデル検討を開始した。

今後両社は、同実証実験で挙がった課題などを検証し、ビジネスモデル構築に向けた協議を行い、2020年度下期中に異なる基盤間で複数の取引をシームレスに実現する相互接続プラットフォームサービスの提供を目指す。

※1 トークン化:それぞれの持つ価値をデータ化すること。ブロックチェーン上でトークンを流通させることによりデータの改ざん防止など安全性が担保される。
※2 クロスチェーン技術:異なるブロックチェーンを活用した相互利用の技術。
※3 コネクションチェーン:異なるブロックチェーンやエコシステム間をブロックチェーン技術により安心・安全に相互接続する技術。
※4 デジタル債、デジタルアセット債:ブロックチェーン技術を用いて権利移転を管理する社債。デジタルアセット債は金利をデジタルで扱える金銭以外の権利としている。

プレスリリース提供:富士通

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