IDC、2019年国内エンタープライズインフラ市場は前年比4.1%増の7130億でベンダーシェア1位は富士通と発表

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IDC Japan株式会社は、国内エンタープライズインフラにおけるシステムタイプ別市場規模とベンダーシェアを発表した。なお、エンタープライズインフラ市場とは、サーバー、エンタープライズストレージシステム(ExternalおよびStorage Expansionのみ)を合算した市場を指す。

IDCによると、2019年の国内エンタープライズインフラ市場は前年比4.1%増の7,129億8,800万円だった。富士通が前年比6.5%増でシェア22.3%を獲得して1位となった。次いでNEC、日本ヒューレット・パッカード(以下、HPE)、デル、日立製作所、IBMの順だった。上位ベンダー6社のうち前年比プラス成長を達成したのは、富士通、NEC、デル、日立製作所およびIBMの5社だった。特にNEC、日立製作所、IBMの3社は前年比二桁増と高成長を達成した。

国内エンタープライズインフラ市場の売上額構成比をシステムタイプ別に見ると、SoR(※1)が全体の40.2%、SoE(※2)/SoI(※3)が12.7%、Other(※4)が47.1%を占めた。SoRが前年比3.4%増の2,868億7,600万円、SoE/SoIが同7.8%増の903億2,000万円、Otherが同3.7%増の3,357億9,200万円だった。

同市場において成長余力が相対的に高いのはSoE/SoIである。その背景としては、DX関連の新規需要が厚みを増してきていることが指摘される。特にAIやML(Machine Learning)/DL(Deep Learning)関連での需要が寄与しているとIDCではみている。

また、配備モデル別に見ると、Public Cloudが前年比3.5%減の1,276億6,400万円、Private Cloudが同22.3%増の641億5,100万円、Traditional(Non Cloud)が同4.2%増の5,211億7,300万円だった。Public Cloud向けのマイナス成長は、国内における主要グローバルサービスベンダーの投資が一段落したことによるものである。

Private Cloud向けの二桁成長は、先行してPublic Cloudを活用してきた企業の一部がTCO(Total Cost of Ownership)の削減やセキュリティ強化などの理由で、Public CloudからPrivate Cloudへ移行する動きがあるとIDCではみている。Traditionalは、メインフレームの更新需要に加えて、Windows Server 2008のサポート終了に伴う需要増といった一過性の要因により好調となった。

IDC Japan エンタープライズインフラストラクチャのグループマネージャーである福冨里志氏は「2019年の国内エンタープライズインフラ市場はプラス成長を達成した。しかし、2020年に入ってからの新型コロナウィルス感染症の世界的な大流行によって、多くの企業や組織におけるIT投資余力の低下やトラディショナルからクラウドへのシフトの加速が見込まれる」と述べた。

続けて「また、国内では政府におけるクラウドバイデフォルトの影響が官公庁/自治体向けビジネスで今後は徐々に現れる。これらの変化を踏まえた適切な戦略と実効性のある戦略遂行上の仕組み作りが求められる」と述べている。

※1 SoR(Systems of Record):法人や個人事業主の事業活動(商取引)や公的機関における公的サービス提供活動の記録や処理を行うシステム。
※2 SoE(Systems of Engagement):エンゲージメントには外部エンゲージメントと内部エンゲージメントがある。外部エンゲージメントは主に顧客および取引先との関係性である。内部エンゲージメントは社員や従業員との関係性である。ここでは顧客エンゲージメントに関わるシステムのみをSoEとして扱う。
※3 SoI(Systems of Insight):収集したさまざまなデータの分析を通して、洞察(インサイト)を得るためのシステム。
※4 Other:本文のotherは、システムタイプのうち「システム基盤プラットフォーム」「機器/装置制御システム」を合算した支出額をさす。システム基盤プラットフォームは、システムを安全かつ安定的に連携して運用するためのシステムや、コミュニケーションや共通ファンクションを提供するためのシステムである。なお、科学技術計算やアプリケーション開発などの用途も同システムタイプに含める。一方、機器/装置制御システムは、医療機器、キオスク端末、ビルファシリティ管理、自動倉庫システム、ファクトリーオートメーションにおける産業用ロボットや工作機械などの制御を主目的とするシステムである。

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