NTTとMTI、無人運航船実証実験に向けて共同研究契約を締結

近年、日本の長期的課題のひとつとして、インフラとして社会経済活動を支え、国内物流の約4割を占めている内航海運を担う船員の高齢化と人員確保の難しさが挙げられており、地方経済や関連産業(造船・舶用機器、保険等)に及ぼす影響も大きいことから、国と業界が一体となってその解決に取り組んでいる。

船の無人化、自動化はこうした課題の解決策として期待されているが、船陸間の通信環境整備や障害物を瞬時に避けることが難しいなどの技術面、開発への莫大な資金が必要などの経済面から、これまで無人運航船の開発はほとんど行われていなかった。

一方で日本は、IoTやAI、画像解析技術などの技術を保持しており、これらの技術を持つ複数の民間企業が共同で技術開発を行うことで、無人運航船にかかる技術開発を飛躍的に推進できると期待されている。そこで、公益財団法人日本財団がハブとなり、2019年10月から「無人運航船の実証実験にかかる技術開発共同プログラム」の募集が行われ、日本電信電話株式会社(以下、NTT)および株式会社MTIはDFFASプロジェクトのメンバーとして採択された。
NTTとMTI、無人運航船実証実験に向けて共同研究契約を締結
無人運航船の実現には様々な技術分野(操船、状態監視、通信など)が関連するが、無人運航船の機能健全性(可用性)を担保し続けるために、新たな通信・基盤システムの設計・開発が重要となる。NTTとMTIは、2017年より船舶の安全性・経済性の追求および国際的な競争力の強化のため、海事産業のイノベーション創出をめざし、両社の持つ技術および研究開発成果を組み合わせた共同実験に取り組んでいる。

そして今般、両社は「Designing the Future of Full Autonomous Shipプロジェクト」(以下、DFFASプロジェクト)を通じ、輻輳海域での無人運航船実現に向けた実証実験を実施すべく共同研究契約を締結した。

MTIは無人運航船の実現に必要となるシステムのコンセプト設計、関連技術開発・検討、NTTはIOWN構想における技術の適用検討、とそれぞれの強みを活かしてDFFASプロジェクトがめざす無人運航船がつくる未来の可能性の提示に向けて、共同研究開発に取り組む。

同共同研究・実証実験において、両社は以下の3つの技術開発のテーマに取組む。DFFASプロジェクトをIOWNの将来ユースケースの一つと捉えることで、必要な要件の洗い出しと技術的課題の解決を図る。

  1. 船舶向けコンテナ配信技術
  2. 衛星回線の狭帯域環境でのコンテナ技術とOTA(Over The Air)技術の実用化

  3. 船上および船陸間の通信制御技術
  4. SDN(Software Defined Network)による通信制御でのネットワークの可視化と運用性の向上

  5. 船陸間の無線通信・端末技術
  6. →船舶向け5G/LTE技術の適用、衛星・モバイルのハイブリッド技術など

両社は今後、2025年までの本格的な実用化という目標に向けて2021年度の実証実験の成功をめざし、通信・基盤技術の検討・検証、搭載装置の設計・開発等を推進するとした。

NTTとMTI、無人運航船実証実験に向けて共同研究契約を締結
無人運航船実現までのイメージと社会に与える影響
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