ソニー、ダイナミック周波数共用技術による秒周期の携帯基地局制御に成功

ダイナミック周波数共用技術(Dynamic Spectrum Access:DSA)とは、これまで周波数帯ごとにそれぞれ管理されていた電波を、データベースで一元管理し、既存事業者・利用者への電波干渉を抑制しながら、時間的および空間的に遊休となっている周波数帯域を別の事業者・利用者に割当てることを可能にする技術である。

新型コロナウイルスの影響でリモートに関する技術に大きな関心が寄せられ、また5Gの普及が進む中、限りある電波資源を有効活用できる技術として、近年世界中で社会実装に向けた研究開発・電波法制度化が加速している。

ソニー株式会社は、電波資源の利用を最適化するダイナミック周波数共用技術を開発し、秒周期という短時間で周波数割当てや制御等を実現することに成功した。

ソニーでは、同年4月より総務省より実験試験局免許を受領し、2.3-2.4GHz帯(3GPP B40/n40)に対応した4G LTE基地局をソニーシティ大崎(東京都品川区)に複数設置した。4G LTE対応のスマートフォンを用いた動画像の伝送試験などの各種実証実験を、米国CBRS(※)準拠の周波数管理データベースシステム「Spectrum Access System」(以下、SAS)を同周波数帯に対応させた評価環境を用いて実施してきた。

今回、同環境による基地局の遠隔制御の高速化技術を開発し、複数基地局の送信周波数の変更や最大送信電力などの各種送信パラメーターに係る変更指示から動作変更の反映までにかかる周期を60秒未満で実現することに成功した。これにより、以前は数時間から数日かかっていた共用に係る周波数割当ての変更およびパラメーター変更の反映までに要する時間を秒周期に短縮できることを実証した。

同技術により、遊休する周波数の利用機会を飛躍的に高めることができ、有限な電波資源のさらなる有効活用への貢献が期待される。

すでにソニーは、米国連邦通信委員会(FCC)より3.5GHz帯(3GPP B48/n48)の周波数管理サービス(遊休周波数割り当て、電波利用許可、最大送信電力等の運用パラメーター指定、等)の商用提供の認可を受け、同国にてSASの運用を行っている。

加えて、同SASの管理の下で、具体的には同国カリフォルニア州カルバーシティにあるソニー・ピクチャーズエンタテインメントの敷地内にプライベートネットワークを展開し、新規アプリケーション開発への応用検討を進めている。また、英国ペンコイドにあるソニー・ヨーロッパのUK Technology Centreにおいても今後同様の実地検証を行う予定とした。

なお、日本においては、総務省が「異システム間の周波数共用技術の高度化に関する研究開発」プロジェクトを主導しており、ソニーは同プロジェクトにおいて共用周波数の管理技術に係るテーマの研究開発を担っている。同実証実験は同プロジェクトの一環として行っており、ダイナミック周波数共用技術の国内での実用化に向けた取り組みを業界団体とともに進めている。

※ CBRS:Citizens Broadband Radio Serviceの略。米国国防総省、固定衛星通信業務、無線ブロードバンド業務が使用する3,550-3,700MHz帯の遊休電波資源を利活用することを認めるFCC規則Part 96 のこと。基地局(CBSD、CBRS Device)による遊休電波資源の利用をSAS(Spectrum Access System)が管理することを定めている。

Previous

電通、企業のDX課題を抽出し課題解決を支援するサービス「Dentsu Digital Transformation診断」を提供開始

KDDI・LG Uplus・Qualcommなど、5G時代の国際XRコンテンツ制作アライアンスを設立

Next