富士通と東京大学、ニューノーマル時代の遠隔産業保健を支えるシステムの実現に向けて共同研究を開始

新型コロナウイルス感染症の拡大により、ニューノーマル時代の新たな働き方として企業においてテレワークが急速に普及し、場所や時間を問わない勤務形態へとシフトする動きが高まる一方、テレワークを基本とする勤務では従業員一人ひとりのメンタルヘルスケアを組織的に実施することが難しく、各自による心身の健康への気づきとセルフケアが重要になる。

また、高ストレス者や長時間労働者に対する産業医面接などの産業保健を遠隔で実施するにあたり、従業員の健康状態の的確な把握と指導が求められている。

富士通株式会社と国立大学法人東京大学大学院医学系研究科川上憲人教授の研究室(以下、東京大学川上研究室)は、テレワーク下における従業員の心身の健康のセルフケアや非対面で行う遠隔産業保健をトータルに支援する、ニューノーマル時代に対応した産業保健システムの実現に向けて2020年10月22日~2021年3月31日まで共同研究を実施する。

同共同研究では、東京大学川上研究室が保有する認知行動療法(※1)などの健康関連の様々な調査データをベースに、富士通のストレスチェックシステム「FUJITSU ヘルスケアソリューション 組織ストレスアセスメント e診断@心の健康(以下、e診断)」を用いて、毎日もしくは毎週実施するパルスサーベイ(※2)と株式会社富士通研究所が開発したAI表情認識技術の技術を組み合わせ、心身の健康に関するデータと顔の表情から従業員一人ひとりの心身の健康状態の判定や健康関連因子の分析を行うデータドリブン型アルゴリズムを開発する。

また、上記で取得した個々の従業員の心身の健康状態や、その状態に影響を与えた行動の内容を、従業員それぞれの性別や年齢、性格特性などの属性情報と組み合わせて分析することで、個々人に最適なアドバイスを導くアルゴリズムを開発する。

さらに、これらのアルゴリズムについて、テレワーク下における従業員の心身の健康のセルフケアや遠隔産業保健における有効性を検証するため、当社従業員を対象に社内実践を行う。

アルゴリズムから導き出された結果の従業員へのフィードバックや、アドバイスに基づく従業員のセルフケアの状況を記録し集約する健康ポートフォリオも設計し、社内実践を通じて有効性を検証する。健康ポートフォリオにより、産業医や産業保健スタッフが従業員一人ひとりのセルフケアの状況を容易に把握することができる。

富士通はこの成果をもとに、e診断などの企業向け健康情報ソリューションや個人の健康医療情報管理基盤「FUJITSU ヘルスケアソリューション Healthcare Personal service Platform」と連携する新たな産業保健向けPHR(※3)サービスを2021年度中に提供予定としている。
富士通と東京大学、ニューノーマル時代の遠隔産業保健を支えるシステムの実現に向けて共同研究を開始

※1 認知行動療法:うつ病や不安障害などのさまざまな精神疾患の治療に活用されている心理療法の一種であり、その人自身の考え方に働きかけて、行動をコントロールすることで生活上や仕事上のストレスを改善する方法。
※2 パルスサーベイ:簡易的な調査を短期間に繰り返し実施する調査手法。主に従業員の満足度調査に用いられ、ストレスチェックにも活用されている。パルス(pulse)とは日本語で脈拍を意味し、脈拍のチェックをするように、組織と個人の関係性の健全度合を測ることを目的とする。
※3 PHR:Personal Health Recordの略。個人が自身の医療情報をはじめ、健康に関する情報を集積し管理するもの。個人の意志で開示をコントロールできるものを指す。

プレスリリース提供:富士通

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