デロイト、日本の高齢層はCOVID-19によってデジタル消費活動が新しい習慣として根付く可能性があると発表

デロイト トーマツ グループは、デロイトのテクノロジー・メディア・テレコムインダストリーが全世界23ヶ国・地域、計37,450人、18歳から75歳を対象に実施した「Digital Consumer Trends 2020」をもとに、「COVID-19で加速する各国のデジタル消費と日本の課題」と題した分析結果を発表した。

新型コロナウイルス感染症(以下、COVID-19)により、各国で政策的にロックダウンや外出自粛等の要請が行われ、人々は在宅を中心とした生活を余儀なくされている。このような環境の変化が消費者に与えた影響を「Digital Consumer Trends 2020」をもとに、以下2つの観点から考察している。

  • 日本の消費行動の変化の特徴は何か。また、その特徴はCOVID-19の流行終息後にも継続しうるか
  • 各国の消費者の日常生活におけるデジタル消費行動の変化における共通点と違い

外出自粛はデジタル消費行動に影響を与えており、中でも18-24歳、65-75歳以上の年代は全般的にデジタル消費活動が増え、それぞれ次のような特徴がある。

  • 18-24歳の年代では、「YouTube、TikTokまたは同様のサービスで動画を観る」(47%)、「映画および/またはテレビドラマをストリーミングで視聴する(26%)」「ソーシャルネットワークのフィードをチェックする(23%)」の伸びが大きい。
  • 18-24歳の年代のCOVID-19収束後における各デジタル消費の継続意向については、伸びた割合の半分を切るものが多く、一過性となる可能性がある。
  • 65-75歳以上の年代では、COVID-19という時事性の高い情報を迅速に得るためか、「テレビ番組を録画ではなくリアルタイムで視聴する」(29%)、「オンラインでニュースを読む」(19%)の回答が多かった。
  • 65-75歳以上の年代では、COVID-19収束後も「オンラインでニュースを読む」ことへの継続意向は高く、デジタル消費活動が新しい習慣として根付く可能性がある。

COVID-19により非接触型の経済活動が推進され、各国でデジタル消費行動が増え、さらに外出規制の厳しい国の方がその傾向がより強かった。その一方で、COVID-19以前にデジタル化が進み環境整備ができていたかどうかも影響している。

  • 規制が相対的に厳しい国では「TVのリアルタイム視聴」が、「キャッチアップサービス(見逃し配信等)を利用したTV視聴」よりも大きく伸びており、刻々と状況が変わる中で、常に最新の情報に触れる必要があったからとも考えられる。その他、「食料品・日用品以外のオンラインショッピング」、また「グループでのビデオ通話」(例えばZoomでの会議や飲み会)が厳しいロックダウン下に置かれた国で伸びたのも必然といえる。
  • 日本と比べ「ソーシャルネットワークのフィードをチェックする」「オンラインでニュースを読む」の伸びが高い国が多く、時事情報獲得の手段の違いが示されている。
  • 各国は「YouTube、TikTokまたは同様のサービスを動画で見る」以外に「キャッチアップサービスを利用したTV視聴」「映画および/またはテレビドラマをストリーミングで視聴する」が大きく伸びており、動画の視聴方法が多様化している。
  • ウェルネスの分野では、もともと電話での遠隔診療が進展していたオーストラリアとイギリスで「電話による診察」がさらに伸びた(オーストラリア:19%、イギリス:12%)。
    対して、従来から遠隔診療が進んでいなかった日本では0%だった。教育分野の「オンラインスクール(例:学校、大学)」では、それぞれの国・地域での休校措置の有無の影響はあるものの、中国(31%)での伸びが目立つ。それ以外の国でも一定の伸びを見せている一方、日本は1%にとどまり、各国のオンライン教育環境の整備状況が反映されている結果となった。

デロイト、日本の高齢層はCOVID-19によってデジタル消費活動が新しい習慣として根付く可能性があると発表
デロイト トーマツ コンサルティング 執行役員の清水武氏は「デジタルが人々の生活にもたらす変化は、COVID-19をきっかけに加速していくことは間違いない。その中でも、日本では特に既存の制度/規制を背景に教育や医療という領域でのデジタルサービスが過少供給状態となっていることが、今回の調査から浮き彫りになった」と述べた。

続けて「人々の生活の根幹をなすこれらの領域のデジタル化は、単に技術の進化という側面だけではなく、官民双方で環境やルールをどう変えていくか、という社会課題としての解決も必要である。ポストCOVID-19に各国に後れをとらないためにも、COVID-19を転機として、社会の成長につながるデジタル環境整備が急務であることが改めて示された結果である」と述べている。

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