ブリヂストンとISID、AI画像診断を用いたパラゴムノキの病害診断技術を開発

2050年には全世界の人口が96億人にも達し、自動車の保有台数も24億台を超え、タイヤ生産に必要な材料の量が増えていくと予想されている。現在タイヤ原材料となる天然ゴムは「パラゴムノキ」から生産されており、産地が東南アジアに集中していることから病害リスクや栽培面積の拡大に伴う熱帯雨林の減少が課題になっている。

パラゴムノキの根白腐病は、根に発症して見分けにくく放置すると木が枯れてしまうため、天然ゴムの収量への影響が大きい病害であり、有効な対策がなく拡大する傾向にある。

株式会社ブリヂストンでは、パラゴムノキの病害リスク低減による天然ゴム資源の持続的な安定供給に向けた研究開発に取り組んでいる。これまでの病害診断では、根白腐病の罹病木に表れる葉のつき方や色味など「葉群」の特徴をブリヂストンの農園スタッフによる「暗黙知」で総合的に判断し、罹病木と判定されたものを掘り起こして実施されるため、個々のスタッフのスキルによって診断精度のバラつきがあった。

このほど、ブリヂストンと株式会社電通国際情報サービス(以下、ISID)は、AI画像診断を用いたパラゴムノキの病害診断技術を共同開発した。

同技術は、ブリヂストンの農園スタッフの暗黙知である葉群に注目した判定を学習させたISIDの画像解析AIにドローンで空撮した農園の俯瞰画像を取り込み、根白腐病の罹病木を広域な農園内から迅速に見つけ出すことができる。

今回、ドローンによる空撮画像をもとに現地農園スタッフによる木の病害判定(罹病木判定)に関する「暗黙知」とAI画像診断技術を融合した病害診断技術の運用試験を開始しており、これまで農園スタッフの熟練度によって精度にバラつきのあった罹病有無の判定を品種や樹齢に関係なく約90%の精度で実施可能であることを確認している。

これにより、収量に影響が出る前の早期に根白腐病の罹病木に手当てすることができ、ゴム農園の生産性向上に貢献する。