NTTとNTTアーバンソリューションズ、未来の街づくりに向けた技術開発と街区実証実験を開始

日本電信電話株式会社(以下、NTT)とNTTアーバンソリューションズ株式会社は、IOWN(※1)の研究開発を活用した「街づくりDTC(Digital Twin Computing)」による、未来の街づくりに向けた技術開発と街区実証実験を開始する。

街づくりDTCとは、街で提供されるサービス単位で環境・モノ・人を捉え、デジタルツイン(※3)とそれらを分野横断で連鎖させる機能であるデジタルツインコンピューティング(※4)を実現させることで、街全体で最適化される新たなUX(顧客体験)を具現化する技術である。

例えば、あるユーザに対して、スケジュールやバイタル情報から適切なタイミングで適切な食事内容を提案し、その時、店舗が混雑していれば共用部のベンチに誘導し、ユーザがエレベータ前に向かうと待たずにエレベータに乗ることができ、さらにベンチについたタイミングで適切な食事を街区内配送する。

街区管理では、街区管理・テナント運営の効率化とコスト削減を実現するエネルギー制御最適化などを行う。店舗テナントでは、店舗のオペレーション最適化や顧客満足度の向上を実現する顧客体験最適化を行う。オフィステナントでは、リモートワークが浸透する昨今の事情から、必要なエリアを必要なタイミングで利用するエリア最適化と、物品、設備も含めたオフィスサブスクリプションを実現するための物品供給・配置最適化を行う。

SDGsに基づく観点として、フードロスゼロを実現するための需給・プライシング最適化、個人の健康状態・嗜好を考慮した食べ残しゼロを実現するという。また、街区内移動支援や物流を担うモビリティ、街区アクセスにおけるMaaSなどの利用最適化を行う。さらに、個人単位での健康状態・購買・嗜好傾向推定、行動傾向予測により、行動リコメンドやおもてなしといった、パーソナルサービスを構築する。
NTTとNTTアーバンソリューションズ、未来の街づくりに向けた技術開発と街区実証実験を開始
データ収集では、街区センサや個人の端末からの街・人のデータ、街区内の様々なシステムデータ、外部のオープンデータを収集する。データ交流プラットフォーム(DB)部では、収集された各データを蓄積し変換し、必要に応じてDTに展開し、DT部では現実世界の具体的な目的(UX)を実現するために必要な要素(人・モノ・環境)を、サイバー空間上にモデル化して再現する。

様々なDTで共通的に用いる地図、人流・交通流は、4Dデジタル基盤を活用した共通DTとしての実現を想定している。ここでは人流等の簡易な予測やデータ補完などの機能を有する。
NTTとNTTアーバンソリューションズ、未来の街づくりに向けた技術開発と街区実証実験を開始
上記にあるように、街づくりにおけるUXに沿った環境・人・モノの状態を分類し、それに応じたDTを形成すると、街の特性や状態に応じて新規のDTを立てて新たに連鎖させたり、必要なDTだけを選択することが容易になり、様々な街に対応することができる。

例えば、ターミナルを対象とした街づくりDTCの拡張は、移動や観光、物流を想定した提供価値の実現が想定できる。これらは、移動MaaS、観光、LaaS(Logistics as a Service)、リテールの各観点でDTを構築することができる。

また、自治体等が実施している公共業務などに応用していくこともでき、例えば消防・救急等の様々な予測最適化に寄与するDTを構築する。行政デジタル化や介護業務の最適化、河川・橋梁などの管理といった業務に関係する状態のDT化も視野に入る。

さらに、医療や教育といった生活の基盤となるサービスに対しても、リアルタイムな情報の活用により病床・物品などのリソース管理や利用最適化をめざして個々のDTを形成することもでき、例えばその前後の行動との関係性を分析して、一見関係のない行動の相関関係を見つけ出すこともDTCの相互最適化により可能となる。

日々の生活に関わる街づくりDTCとして、居住区域でのDTCを構築していくこともできる。環境と人・モノのデジタルツインを想定すると、例えば生活と家事の単位で構築することが考えられ、家電機器、食事、台所・水回り、物品管理、建物管理(防犯・施錠)、その他家屋内インフラ、に分類して、その動作・状態をDT化することができる。

今後NTTとNTTアーバンソリューションズは、NTTデータ、NTTコミュニケーションズ、NTTドコモ、NTT東日本、NTT西日本、NTTコムウェア、NTT都市開発、NTTファシリティーズと共同で、2020年度より、オフィス商用ビル街区、ターミナル街区における「街づくりDTC™」の実証実験を開始する。

実証実験は、アーバンソリューションズグループや他グループ各社が関与する既存物件や、2022年1月竣工予定のアーバンネット名古屋ネクスタビル街区など新規物件を皮切りに、継続して実施していくとのことだ。

※1 IOWN(Innovative Optical and Wireless Network):は、スマートな世界を実現する、最先端の光関連技術および情報処理技術を活用した未来のコミュニケーション基盤。
※2 SDGs:持続可能でよりよい世界をめざす国際目標。
※3 デジタルツイン:現実の世界から収集した様々なデータを、まるで双子であるかのように、コンピュータ上で再現する技術のこと。
※4 デジタルツインコンピューティング:デジタルツインを大きく発展させ、実世界を表す多くのデジタルツインに対して交換・融合・複製・合成等の演算(デジタルツイン演算)を行うことにより、モノ・ヒトのインタラクションをサイバー空間上で自由自在に再現・試行可能とする新たな計算パラダイム。

Previous

ドコモ、開発中の「軽量ディスプレイグラス」の試作機を公開

THKが製造業向けIoTサービス「OMNIedge」を拡張、グローバルSIMに対応した新サービスを展開

Next