IDC、25年末までの国内WANサービス市場の年間平均成長率は0.6%と予測

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IDC Japan株式会社は、国内WAN(Wide Area Network)サービスの市場予測を発表した。これによると、2025年の国内法人向けWANサービス市場(レガシー専用線を除く)は6,140億円、2020年~2025年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は0.6%と予測している。

国内法人向けWANサービス市場の今後5年間について、成長率はわずかにプラスで推移しながら、その程度は徐々に低下していくとIDCでは予測している。市場の成長促進要因としては、企業のクラウドシフトに伴うパブリッククラウドへの接続需要拡大や、DXへの取り組みの加速による回線数やトラフィック増加が挙げられる。

一方でマイナスの要因としては、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の終息後もリモートワークを継続する企業が、不動産価格の高い都市部のオフィススペースの集約や統廃合を2021年頃から行うことが考えられる。これは、高価な帯域確保型サービスの利用減少を中心に、WANサービス市場の成長率を押し下げる要因になるとIDCではみている。

COVID-19の感染拡大は、2020年の国内法人向けWANサービス市場にも影響を及ぼした。飲食業や小売業、観光業など一部の産業分野において、業績悪化に伴う廃業や一部拠点の撤退や縮小などが起こり、WANサービス市場にマイナスの影響を与えた。

一方で、「巣籠り」によるインターネットトラフィック増加に対応するため、ISPやコンテンツ事業者などのイーサネット専用線の大口顧客による増速需要などが下支えした。その結果、2020年の国内法人向けWAN市場は、2019年の成長率を下回ったもののプラス成長を維持し、全体としてはCOVID-19の影響は軽微なものに留まったと言える。

また、リモートワークの増加に伴う閉域網サービスのインターネットゲートウェイの増速や、リモートアクセス契約ID数の追加など、応急処置的なリモートワーク対応の案件が2020年前半に急増するという現象も見られた。

IDC Japan コミュニケーションズのリサーチマネージャーである小野陽子氏は「WANサービスの顧客は、WANにセキュリティや柔軟性など多くの付加価値を求めるようになっている。また、COVID-19によるリモートワークの定着によって社外と社内を同等に扱うゼロトラストモデルへの移行が加速する。WANサービス事業者は、顧客のWANの見直しやセキュリティ強化ニーズに寄り添ったソリューション提案、カスタマイズ/インテグレーションを行うために、人的支援体制を強化する必要がある」と述べている。

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