東芝、教師なしで画像の特徴を学習してグループ化する画像分類AIを開発

近年、AIにより製品の外観画像を分類することで、不良や欠陥の発生状況を早期に把握し、生産性を向上する取り組みが広がっている。

AIで外観画像を分類する手法として、事前に分類基準を人手でラベル付けする教師あり学習と、分類基準の設定や教示用のデータを必要としない教師なし学習がある。製造現場における外観検査では、分類基準を学習するための人手による作業が不要で、導入・運用コストが低い教師なし学習による分析が期待されている。

一方で、従来の教師なし学習では、AIが不良や欠陥の特徴を十分に学習できず、分類精度が低下する場合がある。特に外観検査における画像では、付着したダストやキズといった着目したい不良や欠陥に対して、それ以外の背景領域が大部分を占める。そのため、背景に含まれる特徴も学習してしまい、本来着目したい不良や欠陥の分類精度が低下する問題があった。

株式会社東芝は、製造現場における外観検査による不良検知向けに、教師なし(分類基準のラベルづけ作業なし)で画像をグループ化する画像分類AIを開発した。

同技術は、まず、人手による分類基準のラベルではなく1枚の画像を1つの分類基準とする疑似的な教師あり学習を行うことで、多くの画像に表れる背景のような部分ではなく、一部の画像に表れる不良や欠陥に着目して特徴を抽出する。

さらに、抽出する特徴が重複しないような独自の学習基準を設定することにより、画像に含まれる多くの特徴から類似した不良や欠陥をグループ化するのに有効な特徴量(特徴を数値化したもの)の作成を実現した。

同技術を用いることで、製造現場で撮影される外観画像において、例えば、検査対象以外の物が背景に映りこんでいるような複雑な画像でも、製品の不良や欠陥を教師なしで分類することが可能だ。

今回、同AIを使用して世界共通の一般画像の公開データの分類を行ったところ、分類精度が従来の71.0%から95.4%に改善することができた。下図のように、背景が全く異なる画像を同一グループに分類できる。

東芝、教師なしで画像の特徴を学習してグループ化する画像分類AIを開発
IDFDによる分類結果の例

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