DNP、多様なモビリティをシームレスに利用できる交通結節点「DNPモビリティポート」を開発

少子高齢化や地方の過疎化の進展に伴い、地域の公共交通機関の維持・存続が困難となるなど、さまざまな課題が顕在化している。さらに、都市部の交通渋滞や環境問題などの課題もある。一方、規制緩和により多くのモビリティサービスの提供が始まっているが、それぞれが連携していないため、生活者にとって使い勝手が良いものになっていないのが現状である。

大日本印刷株式会社(以下、DNP)は、複数の交通手段・サービスが交わる場所に交通情報や地域情報を配信するデジタルサイネージを設置して、デマンドバスや小型モビリティ等の多様なモビリティ(移動手段)をシームレスに利用できる交通結節点「DNPモビリティポート」を開発した。

DNPモビリティポートでは、デジタルサイネージでさまざまな地域情報や公共交通の運行情報、デマンドタクシー・デマンドバスの呼び出し、小型モビリティ・シェアサイクルの貸し出し状況などの情報を閲覧することができる。これらの情報はスマートフォンでの閲覧も可能だ。さまざまなモビリティサービスの連携を進め、交通の利便性および地域での人々の回遊性向上に寄与する。

また、次の3つのコンセプトで、人中心の新しい社会におけるモビリティの在り方を具現化していく。

  1. 「行きたくなる」
  2. 公共交通やデマンドタクシー、小型モビリティ等が手軽に利用できる。

  3. 「居たくなる」
  4. 屋外に適したスペースデザインにより居心地が良く、新しい発見がある。

  5. 「周遊したくなる」
  6. 地域情報発信や各種サービス連携など、街を周遊したくなる仕掛けがある。

DNP、多様なモビリティをシームレスに利用できる交通結節点「DNPモビリティポート」を開発
DNPモビリティポートによる交通・サービス・モビリティの連携イメージ
DNPモビリティポートは既に、以下のさまざまな実証実験に導入している。

  • 静岡型MaaS基幹事業実証プロジェクト(2020年11月~12月)
  • 静岡市のJR草薙駅・JA清水厚生病院の2箇所に、通信型タッチパネル式屋外サイネージを設置し、DNPモビリティポートの活用に向けた実証実験を実施した。

    このシステムを、AIを活用したオンデマンド交通サービスの乗降ポイントとして活用するとともに、地図を活用した車両位置情報の可視化や、タッチパネルによるわかりやすい予約機能の提供などによって、スマートフォンの扱いに慣れない住民でもAIオンデマンド交通サービスを気軽に利用できることを実証した。

  • 菰野町観光協会の3密回避に向けた最先端技術活用実証事業(2020年12月~2021年3月)
  • 三重県菰野町の観光スポット6カ所にデジタルサイネージを設置し、小型モビリティ(eバイクや電動キックボード)の発着点として活用した。AIカメラによる混雑情報の確認、小型モビリティの貸出状況の可視化といった機能を実装し、三密対策として観光客の行動の変容を促す実証を行った。現在も「菰ビリティ」のサービス名で、地域住民や観光客の足として、小型モビリティのシェアリング事業が実施されている。

  • 地域とつながる小さな拠点づくり社会実験Shibuya Mobility and Information LoungE(SMILE)(2021年6月下旬より実施予定)
  • 東京都渋谷区の東急百貨店本店前に、デジタルサイネージを設置する。木材の研究開発を行うNIKKEN WOOD LABの「つな木」と連動した空間づくりを行い、LUUP(電動キックボード)のポートとして活用する。

    東急バスやnearMe(相乗りタクシー)、LUUPの情報配信だけでなく、DNPの地域情報配信プラットフォーム等を活用して奥渋エリアの魅力を発信することにより、「小さな拠点」から周辺地域への回遊を促す行動変容の実証を行う。

今後DNPは、自治体や公共交通事業者、商業施設などとコラボレーション(共創)しながら、DNPモビリティポートの機能をさらに強化していくとともに、2020年から2021年にかけて複数の実証事業に参画し、2022年度からの本格展開を目指すとしている。