IDC、国内企業の2021年~2022年におけるDX支出/投資金額は前年比24.6%で増加と発表

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IDC Japan株式会社は、国内企業のDX動向調査結果を発表した。これによると、DXを推進している国内企業は、ビジネス戦略とDX戦略の両戦略の長期的、全体的な連携を強め、業務のあらゆる面においてデジタル技術を活用し変革を進めていることが分かった。

IDCでは、2021年5月に、DXを実施している国内企業で、実際にDXに関わっているマネージャー以上の150人を対象として、DXの戦略、戦術、予算、KPI、課題、組織/文化、IT基盤などを調査した。これは2019年、2020年に引き続き行われたものであり調査結果の比較も行っている。

道調査レポートによると、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により、DXへの支出/投資は加速している。9割強の企業がDXへの支出/投資について「継続する」とし、うち7割弱の企業が「増加させる」として、平均で24.6%増と回答している。

2021年の国内企業のDXへの取り組み状況については、「DXを企業戦略と全体的、長期的に連携させている企業(DX先進企業)」が前年同調査と比較して4.5ポイント増の56.0%となった。DXに実際取り組んでいる企業にとって、ビジネス戦略とDX戦略を一致させることを「当然」とする企業が増えている。

そのDX先進企業とDX後進企業(DXを企業戦略と部分的、短期的に連携させている企業)との比較において、DXを実現する際の重要な組織文化の要件について確認したところ、差のある項目としてDX先進企業は「組織全体に渡る新規技術への親しみ」、「従業員にすべての権限を与える」(動機づけ要因)の回答率が高く、一方でDX後進企業は「適切な報酬」(満足度要因)が高い結果となった。

DX先進企業は、「全従業員の現場/現物/現実に対するモチベーション」への意識が高いと推察される。また「心理的安全性」への意識では、DX先進企業の約56%がその醸成に取り組んでおり、DX後進企業と比較して15ポイント高い結果となった。心理的安全性は、既存事業の改革や新規事業の創出等のあらゆる側面で効果に期待のできる組織文化であるため、今後この比率が高まっていくとIDCはみている。

DX推進上の課題では「必要なテクノロジーを持った人材の不足」、「リーダーシップの不足」「長期的なロードマップや計画が描けない」「保守的な組織文化」などの項目が上位に挙がる一方で「変革を支援する適切なテクノロジーパートナーが不足」は低い結果となった。DX推進上の本質的な課題は、「社内のビジネスと組織文化に精通したテクノロジー人材の不足」と推察される。

DXをビジネスの変革と正しく捉え、「ビジネス戦略とDX戦略の一体化」を図る企業は増加している一方で、一部「分離(デジタルのサイロ化)」の動きも見られた。この二極化の動きは、今後、「デジタル資本格差(デジタル技術を活用し情報の価値創造を全体的でスパイラルに行う仕組みの差)」を広げると予測される。

IDC Japan ITサービス リサーチマネージャーの山口平八郎氏は「国内企業は、既存事業に余力がある今、全社が一丸となってデジタルを駆使し、様変わりする消費者、顧客企業、パートナー、エコシステム、自然環境、地政学的要因などの「外部環境の変化」に意識を向け、新しい現実を洞察し、次の柱となる事業を生み出さなければならない」と分析している。