キャップジェミ二、産業用5Gを早期導入した企業の60%がすでに運用効率の向上を実現と発表

5Gは、その本質的にエネルギー効率の高い設計を通じて、また環境や持続可能性にフォーカスしたユースケースを実現する能力を通じて、環境に直接的また間接的に多くのメリットをもたらす。しかし、一方で環境リスクをもたらすという側面もまた存在しており、インダストリアル企業は環境への懸念を認識し、すでにその対応策を検討している。

キャップジェミ二株式会社は、キャップジェミニ・リサーチ・インスティテュートが6月22日にリリースした「Accelerating the 5G Industrial Revolution: State of 5G and edge in industrial operations」の日本語版レポート「5G産業革命を加速するために ― インダストリアルオペレーションにおける5G&エッジコンピューティングの現状」をリリースした。

このレポートによると、産業用5Gの導入はいまだアイデアや計画の段階であり、パイロット段階以降に進んだインダストリアル企業は30%にとどまっている。これは、通信事業者やまだ動き出していないインダストリアル企業にとって、絶好のチャンスであることを意味するという。

今回の調査によれば、インダストリアル企業の40%が、2年以内に1拠点に大規模な5G展開を実施したいと考えており、早期導入企業の経験により、この数は増えるかもしれないと推測し、まさにパラダイムシフトだと提言している。5Gのトライアルと早期実装は力強いビジネス利益をもたらしており、早期導入企業の60%が「5Gはより高い業務効率の実現に役立つ」、43%が「柔軟性の向上を実現した」と答えている。

また、インダストリアル企業は「5Gが新たな製品やサービス、ビジネスモデルの導入を可能にし、今後の収益に貢献する」と楽観的な見通しを立てていることも明らかになった。実際に、インダストリアル企業の51%が「5Gを活用した新製品の提供」、60%が「5Gによって実現される新サービスの提供」を計画している。

さらに、インダストリアル企業は、5Gイニシアチブにおけるエッジコンピューティングの役割を認識しており、5Gのポテンシャルをフルに実現するためにはエッジコンピューティングが不可欠であると考えている。調査によれば、企業の64%が3年以内に5Gベースのエッジコンピューティングサービスの導入を計画している。これを可能にするのが、5Gによって提供されるより優れたパフォーマンス、信頼性、データセキュリティ、プライバシーだという。

そして、調査対象の全インダストリアル企業の3分の1以上がプライベート5Gネットワークを導入したいと考えている。プライベート5Gネットワークへの関心が最も高いのは半導体・ハイテク分野(50%)、その次が航空宇宙・防衛分野(46%)だ。

併せて、同レポートでは、企業が5Gのポテンシャルをフルに活用するために取り組むべき課題として、以下を取り上げている。

  • 5Gと既存のネットワークやITシステムとの統合
  • 企業は、標準化された相互運用性のあるソリューションの欠如が、組み立てやテストの所要時間の増加につながることに気づいている。

  • 5Gユースケースの定義付けと投資回収率の見積もり
  • 特にブラウンフィールド環境では、有線接続など既存の選択肢やケーブル交換のコストと比較して投資の回収を評価する必要がある。

  • サイバーセキュリティの管理
  • 信頼できる適格なベンダーの選定が困難であること、さまざまなネットワーク展開シナリオのセキュリティへの影響を予測すること、リスクへの曝露を減らすための社内プロセスが欠如していることなどから、サイバーセキュリティの管理が不可欠である。今回の調査では、インダストリアル企業の70%が、サイバーセキュリティの管理を5Gの導入に伴う重要な課題と捉えている。

  • マルチベンダー環境のオーケストレーション
  • 5Gソリューションを構成する複数の機能コンポーネントを実現するためのマルチベンダー環境の編成もまた課題のひとつで、インダストリアル企業の69%が複数のベンダーを特定し、参加させ、管理することを重大な障壁と考えている。

また、今回の調査では、インダストリアル企業の半数以上(53%)が、自社の5G実装によって生じる環境への影響を軽減することが企業の優先事項のひとつであると回答している。加えて、インダストリアル企業の3分の2以上(67%)は、5G調達決定の一環として、5G事業者、ベンダー、サプライヤーの持続可能性に関する認証を考慮することを計画している。

キャップジェミニの5G&エッジコンピューティング部門のグループリーダーであるFotis Karonis氏は「産業用5Gは、インテリジェントインダストリーのポテンシャルを解き放ち、データ駆動型のデジタルトランスフォーメーションを加速するための重要な触媒です」と述べている。

続けて「企業は、5Gのメリットを活用していかなければなりません。そのためには、専門知識を共有し、明日のためのイノベーティブでサステナブルなソリューションを共同で創り出すためのエコシステムに参加することが必要です。反復の要素は必要ですが、企業は5Gエコシステムを活用してソリューションを共同でテストし、エコシステムの進化に合わせてアプローチを微調整しながら、フルスケールの5G導入を進めていくべきです」と述べた。

企業が5Gを実装する際には、最適なネットワークモデル、適切なパートナー集団、そしてニーズに合った最もインパクトのあるユースケースを見極める必要がある。特に通信事業者は、単にコネクティビティを提供するプロバイダーから、業界に特化したソリューションを提供するプロバイダーとなるために、必要な能力を迅速に構築する必要がある。通信事業者はすでに、プライベート5Gネットワークのニーズに合わせて、自社の5G戦略を調整しつつある。

レポートによると、通信事業者の63%が産業グレードのプライベートネットワークソリューションをすでに立ち上げおり、また残りのうち86%が今後2年以内に同様のサービスのロールアウトを予定している。さらに、エッジコンピューティングはこの戦略に欠かせないものと捉えられており、通信事業者の37%がすでに5Gベースのエッジコンピューティングのサービスを提供、61%が3年以内の提供を計画しているとのこと。