マイクロソフトの”イノベーション ウェーブが巻き起こる 1 日”~Microsoft Innovation Day レポート

2016年4月23日、日本マイクロソフト品川本社にて「Microsoft Innovation Day」”イノベーション ウェーブが巻き起こる 1 日”が開催された。

このイベントは学生やスタートアップによる最新ソリューションの発表、第一線で活躍するスタートアップやエンジニアによるセッションと展示、参加者同士のネットワーキングを通じ、社会にインパクトを与えるような新たなイノベーションを創りだすきっかけとなる場を目指し開催された。

また今回は、全国から選抜された学生が熱いプレゼンテーションを繰り広げるImagine Cup と、スタートアップや先端研究を表彰するMicrosoft Innovation Awardが同時に開催された。

イベント冒頭、日本マイクロソフト平野拓也社長から挨拶があり、「マイクロソフトのミッションは、世界中ミッションの裏にはグロースマインドセットカルチャーというものに強い思いを持っている」と語った。
「これは、いま自分たちがやっていることに慣れるのではなく、自分が持っているハーフアップゾーン、すなわち、安全に思っている自分の心地よいところをどんどん壊していくinnovationに取り組む学生、企業家の支援にこれからも力を入れていく」と話があった。

Microsoft Innovation Award「テクノロジによるイノベーション」をキーワードに、革新的なアイディアを形にしたソフトウェア、ハードウェア、IoTやアプリなどのソリューションを表彰するマイクロソフトのアワードだ。ファイナルピッチではファイナリスト16社によるプレゼンが行われ、最優秀賞をはじめ各賞が発表された。

最優秀賞&日本航空アントレプレナー賞

BioSync / 筑波大学 人工知能研究室

Microsoft-Innovaiton-Day-2016000innovation000最優秀賞

最優秀賞&日本航空アントレプレナー賞は、運動感覚の共有を実現するBioSyncを開発した筑波大学 人工知能研究室が選ばれた。

Microsoft Innovaiton Day 201610_bioSync001
筑波大学 人工知能研究室 西田 惇氏

BioSyncは、医療・リハビリ業界を変える身体機能拡張、他者と神経を接続し、二者間で運動感覚の共有を実現するウェアラブルデバイスだ。

この身体ハッキングは、生体信号計測と筋電子刺激を同時に行うことができる電極を開発することで実現した。

これにより、リハビリ支援、スポーツ支援、運動疾患理解の支援を行えるという。

Microsoft Innovaiton Day 201610_bioSync002

このデバイスを用いることで、患者の運動感覚や身体的な不自由さなどの運動疾患を運動覚刺激により相手に共有することができるので、医者は疾患の理解を直感的におこなえるようになったり、運動疾患者が持ちやすくこぼしにくいスプーンの開発なども支援も行ってきたという。

Microsoft Innovaiton Day 201610_bioSync003

審査員特別賞

The VOICE/Hmcomm株式会社

Microsoft Innovaiton Day 201613_Hmcomm001
Hmcomm株式会社 代表取締役 三本幸司氏

産業総合研究所のベンチャー企業であるHmcommのThe VOICEは、会話の文字起こしのソリューションだ。

国立研究開発法人産業技術総合研究所で開発された音声認識技術の技術移転を受け、この技術をベースに企業ごとにカスタマイズを行い様々なニーズに答えてサービスを提供している。

Microsoft Innovaiton Day 201613_Hmcomm002

音声認識クラウド・プラットフォーム「The VOICE JP」は、自然言語処理、テキスト要約、文書返還、音声認識、音声合成までサービス提供している。

Microsoft Innovaiton Day 201613_Hmcomm003

また、このThe Voiceを活用した「VBox」というサービスは動画や音声のデータを専用のクラウドにアップロードするだけで、自動的に音声認識・テキスト化を実行するクラウド型の音声データ自動テキスト化するサービスだ。

 

LPixel/エルピクセル株式会社

Microsoft Innovaiton Day 201609_エルピクセル001
エルピクセル株式会社 代表取締役 島原 佑基氏

エルピクセルは、AIを活用した画像解析システムを提供しており、ライフサイエンス研究において膨大化している画像データの処理に活用されているとのことだ。今まで研究者は膨大な量の画像を加工、修正を行い、これに多くの時間をかけていた。

こういった研究者の作業者化を防ぎ「研究者の無駄な作業時間を創造する時間に回してほしい。」と事業を始めたとのことだ。

Microsoft Innovaiton Day 201609_エルピクセル002

エルピクセルの画像解析ソリューションは、小学生でも使えるほど簡単で、短時間に大量の解析を高精度に行えるという。

例えば細胞の画像をクラウドにアップローする。次に画像の撮影対象や方法を入力し細胞の数のカウントなどの目的を設定する。後は解析の候補が自動的に出てきて研究者はそれを選択するだけで何万枚もの画像を解析できるという。

Microsoft Innovaiton Day 201609_エルピクセル003

 

オーディエンス賞

Secual/株式会社Secual

Microsoft Innovaiton Day 201605_Secual001
株式会社Secual 代表取締役CEO 青柳 和洋氏

Secualは窓やドアからの侵入を検知し、スマホに即座に通知が届くサービスだ。

Secualは配線などの工事は不要で、窓やドアに貼るだけで簡単に設置でき、簡単にホームセキュリティを利用することができる。

Microsoft Innovaiton Day 201605_Secual002

仕組みは非常にシンプルで、窓やドアに張り付けるセンサーと、センサーからの振動の検知を収集するコンセントに差すだけのゲートウェイ機器と、スマートフォンだけである。

Microsoft Innovaiton Day 201605_Secual003

センサーの振動情報はすべてクラウドに送信されており、独自のアルゴリズム解析で、侵入を通知するべきかどうかを計算しているとのことだ。

初期導入は一般的なホームセキュリティが30万円に対して1/10の3万円、月額も5千円に対して1/5の980円という圧倒的なコストパフォーマンスを実現している。

サムライインキュベート賞

Milbox Touch/株式会社WHITE

Microsoft Innovaiton Day 201602_Milbox Touch001
株式会社WHITE CEO 神谷 憲司氏

Milbox Touchは誘導性インクでプリントされたタッチインターフェース搭載のVRゴーグルだ。

高度なインタラクションを実現し、だれでも安価にVRゲームの世界に没入できるプロダクトだ。

誘導性インクでプリントされたタッチインターフェースパーツを段ボールのゴーグルに組み込み、あとは自分のスマートフォンを装着することで、タップやスクロール、スワイプといった様々な入力操作を行うことができる。

Microsoft Innovaiton Day 201602_Milbox Touch002

WHITE社はタッチインターフェースモジュールとUnity / Android / iOS用のスクロール位置の取得 / スワイプ処理の取得 / タップ判定ができるSDKを順次公開していき、様々な企業、クリエータへOEM提供を行い、Milbox Touchの入力方式をスタンダードにしていくとのことだ。

https://youtu.be/fQyrIqZEfeE

 

Tech in Asia賞

KAGURA/株式会社しくみデザイン

KAGURAは体の動きで音楽を奏でる新世代楽器で、画像処理によってモーションやジェスチャーを認識することで、演奏体験を創り出すソリューションだ。

01_KAGURA002

KAGURAは体を使って演奏ができるだけでなく、曲を自分で作ることも可能だ。またリズムはコンピューターが自動的にとってくれるので整った音楽を演奏できる。

01_KAGURA003

ジェスチャー認識にはインテルのRealSenseを利用しており、自社開発のリアルタイムの動き出し検出、遅れを感じさせない楽音再生アルゴリズムにより、KAGURAによる演奏を実現しているとのことだ。

PR TIMES賞

Secual/株式会社Secual

PR TIMES賞には、オーディエンス賞も受賞したSecualが受賞した。

 

THE BRIDGE賞

The VOICE/Hmcomm株式会社

THE BRIDGE賞は審査員特別賞を受賞したHmcommが受賞した。

 

【関連リンク】
Microsoft Innovation Day
日本マイクロソフト
筑波大学 人工知能研究室
Hmcomm株式会社
エルピクセル株式会社
株式会社Secual
株式会社WHITE
株式会社しくみデザイン

無料メルマガ会員に登録しませんか?

膨大な記事を効率よくチェック!

IoTNEWSは、毎日10-20本の新着ニュースを公開しております。 また、デジタル社会に必要な視点を養う、DIGITIDEという特集コンテンツも毎日投稿しております。

そこで、週一回配信される、無料のメールマガジン会員になっていただくと、記事一覧やオリジナルコンテンツの情報が取得可能となります。

  • DXに関する最新ニュース
  • 曜日代わりのデジタル社会の潮流を知る『DIGITIDE』
  • 実践を重要視する方に聞く、インタビュー記事
  • 業務改革に必要なDX手法などDXノウハウ

など、多岐にわたるテーマが配信されております。

また、無料メルマガ会員になると、会員限定のコンテンツも読むことができます。

無料メールから、気になるテーマの記事だけをピックアップして読んでいただけます。 ぜひ、無料のメールマガジンを購読して、貴社の取り組みに役立ててください。

無料メルマガ会員登録