映像分析をリアルタイムに行うには、エッジ機器での処理を行うケースが多いが、処理能力に制約があるエッジ機器では、大量の映像の処理を高い精度で行うことは難しいとされている。
そこで本日、日本電気株式会社(以下、NEC)は、処理能力に制約があるエッジ機器でも、大量の映像に対する物体検知について、最大で約8倍の処理速度を実現する「漸進的物体検知技術」を開発した。
「漸進的物体検知技術」では、高速だが精度が劣る物体検知AIモデルと、高精度だが演算量の多い物体検知AIモデルを組み合わせ、複数の画像を処理することにより、高速・高精度な検知を実現している。
具体的には、まず高速な物体検知AIモデルにより、粗い精度で複数検知し、その検知結果をまとめて高精度な物体検知AIモデルで処理することにより、検知対象を徐々に精緻化し、分析する。
また、特定の検知対象や特定の処理方式に限ることなく、「人」や「人の関節点」、「車両」や「車両のナンバープレート」などの、検知対象に応じた多様な物体検知処理に対応。

さらに、特定のAIチップに限ることなく適用することができるため、AIチップが共通して持つ、多数の演算リソースを内部に持っており、AIチップ内部の演算能力を使いきることができる。
こうした技術により、リアルタイムでのカメラ映像の処理や複数台カメラの同時処理を行うことが可能になる。
NECは今後、「漸進的物体検知技術」の開発強化や実証を経て、2022年度の製品化を目指しているという。
なお「漸進的物体検知技術」は、2021年11月17日〜19日にパシフィコ横浜にて開催される「ET & IoT 2021」に展示される。
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