日産自動車株式会社と凸版印刷株式会社、一般社団法人NoMAラボは、福島県双葉郡浪江町の協力のもと、浪江町在住の住民20名前後を対象に「なみえバーチャル商店街サービス」の実証実験を2022年1月24日~2月4日の期間、実施する。
同サービスは、凸版印刷が提供する「VR買い物支援サービス」と日産自動車が提供する「なみえスマートモビリティ」を組み合わせた買い物支援サービスである。
なみえスマートモビリティは、スマートフォンのアプリケーションで乗り合いタクシーを呼び出し、浪江町中心部に約120ヶ所、周辺部は登録ユーザーに応じて設けられた乗降ポイント間を行き来できる、デマンド型モビリティサービスある。持続可能なモビリティサービスを目指して車両の稼働率や輸送効率を改善し、事業性を構築する方策として貨客混載による旅客と荷物の輸送を行う。
一方のVR買い物支援サービスは、ネットショッピングや一般的なバーチャルショッピングとは異なり、実際の店舗の映像をリアルタイムでタブレット端末に配信しているため、鮮魚、精肉、野菜、その日の商品ラインナップやタイムセール商品など、実際に店舗にいるかのような感覚で買い物をすることができるという。同じ商品が複数個陳列されている場合、実店舗で商品を選択する感覚で、任意の商品を選んで購入することができる。
VR買い物支援サービスを導入する店舗側は、商品登録やシステム構築の必要無く、カメラを棚の前に取り付けるだけで導入が可能だ。生鮮品を扱う中小規模の小売店では、日々の仕入状況によって商品が異なるため、eコマース導入のハードルが高いことが課題だったが、VR買い物支援サービスによって手軽に商圏を広げることができる。
今回の実証実験では、まず利用者がVR買い物支援サービスを使って、浪江町に拠点を置く3社(有限会社柴栄水産、道の駅なみえ、イオン浪江店)の売り場の商品棚に設置されたカメラの映像を、自宅からタブレット端末を介してリアルタイムに確認・注文する。これにより、複数店舗で実際の商品を見ながら直感的に買い物ができる同サービスの有用性および利用者の利便性向上の検証を行う。
VR買い物支援サービスを使って買い物した商品は、店員がピックアップしてなみえスマートモビリティの車両に積み込む。旅客だけでなく荷物配送も同時に行う貨客混載サービスの対象店舗を拡大し、人口密度の低い地域でのモビリティサービスの事業性検証を行う。
なお、同実証実験における各者の役割は以下の通り。
- 日産自動車:なみえスマートモビリティを利用した宅配サービスの運営、モビリティサービスによる宅配の事業性検証
- 凸版印刷:VR買い物支援サービスの開発/運用管理、 VR技術を活用し複数店舗のリアルタイム映像を見ながら商品選択できるシステムの利用者利便性検証
- NoMAラボ:実証実験のモニター募集、地域関係者との調整
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