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製造業 > 三菱ガス化学と日立が協創、マテリアルズ・インフォマティクス等を活用して新素材開発におけるDXを推進
政府は、2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロとする「カーボンニュートラル」を2020年10月に宣言し、製造業では、地球温暖化への対応を持続可能な成長の機会と捉えるなど、積極的に気候変動問題への対策を推進することが求められている。
三菱ガス化学株式会社と株式会社日立製作所(以下、日立)は、三菱ガス化学の機能化学品事業部門において、AIやデータ解析により新材料や代替材料を効率的に探索するマテリアルズ・インフォマティクス(以下、MI)(※)などデジタルソリューションを活用し、半導体材料において目標性能を満たす新素材探索の精度を約50%程度向上するほか、新素材探索に必要な実験時間を30~50%短縮することを確認したと発表した。
これまで、熟練者が手作業で、大量の原材料とその配合比率のパターンから新規の高機能ポリマーや半導体材料の条件探索をしており、工数を要していたが、今回MIを用いた仮想実験により、新素材に要求される特性を満たす素材の組み合わせの探索に成功した。同技術により、従来、人手での作業で膨大な時間を要していた新素材の条件探索が効率化し、開発期間を短縮できた。
また、これまでは熟練者の経験をもとに、顕微鏡画像や目視観察などで材料の画像と品質の関係性を定性的に判断していたため、実験結果の再現が困難だった。今回、MIと画像解析技術を用いて、原材料の顕微鏡などの大量画像から材料性能の異常を自動識別することで、製品開発時の最終実験候補の組み合わせを従来手法の約半分程度の時間で見出すことができた。同技術により、顕微鏡画像から材料品質を定量的に判断でき、製品開発時の品質安定化を実現した。
さらに、従来は実験が複数工程に跨るため、研究計画と結果の関係性を把握することが困難だったが、今回実験データを管理するサービスを用いて、研究計画、実験データ、計画・承認・実行などの研究プロセスの統合化・可視化、研究者間での実験情報の共有を実現した。これにより、研究における依頼・承認などのステータス管理や過去の実験データの検索が容易になり、新規樹脂開発の合成に関する実験管理時間を30~50%削減することができた。
素材開発のDX推進に向けた両社の協創
※ マテリアルズ・インフォマティクス:大量の材料データからAIなどを用いてデータ同士の関係性を見出すことにより、新素材開発を高度化、加速する手法。
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