広島市立大学・TISなど4者、「ウェアラブルセンサ信号のコンテナフォーマット」の国際標準化へ審議開始

近年、日常生活での体調管理や運動時の活動測定などを目的としたIoT・ウェアラブルデバイスの普及・利活用が急速に拡大している。一方で、取り扱う信号の形式などがメーカーや機器ごとに異なるため「メーカーA社とメーカーB社の機器を同時に接続できず、データ連携や共有がしづらい」など、利便性に多くの課題を抱えている。

公立大学法人広島市立大学、TIS株式会社、株式会社エー・アンド・デイ、帝人株式会社は、経済産業省公募による「ウェアラブルセンサ信号のコンテナフォーマットに関する国際標準化」の採択を契機として、ウェアラブルデバイスでの上位レイヤーから下位レイヤーまでのセンサ信号を共通的に処理できるよう、信号のやり取りを「コンテナ」化する技術仕様一連の標準化準備(国際標準規格案策定)作業を行ってきた。

そして2021年10月に、IEC(国際電気標準会議)のTC100(※1)に対し、新規国際標準規格として「ウェアラブルセンサ信号コンテナフォーマット技術」の提案を行い、同年12月に承認されたことを発表した。

コンテナフォーマットは、ウェアラブルセンサ信号に係る互換性や5Gシステムと連携するIoTへの適応性を高め、データの共有・利活用を柔軟に行える、標準化の核となる技術である。

Sensor Device(測定)は、センサ素子が得る信号をデジタルデータに変換して、Edge Computing Deviceに送出する。また、Edge Computing Device(計算)は、Sensor Deviceから受け取ったデジタルデータを「コンテナ」化する。以降はコンテナフォーマットをベースとして計算処理を行う。Repository(サーバー)は、Sensor Deviceからの情報に基づき、データの構造情報を提供する。そしてViewer(閲覧)では、クラウド・ネットワークを経由してViewerで測定値を可視化する。

コンテナフォーマット技術によって標準化されたセンサ信号が流通することで、様々なIoT・ウェアラブルデバイス間の接続性が高まり、測定したデータを容易に共有・連携することが可能となる。

また国際標準規格を採用することで、自社の製品やサービスと他社との連携において迅速かつ主導的な展開が図れるとともに、国内はもとより海外と共通のデバイス、システムやサービスを構築することができ、国内で成功したモデルをグローバルに展開することが容易になる。

多様なIoTサービスやウェアラブルデバイスと親和性の高いウェアラブルセンサ信号コンテナフォーマット技術は、まずはヘルスケア・医療領域での活用を想定しているとのこと。

今後は、IEC 63430として2023年度の発行を目指して規格文書の完成度を上げる作業と審議を行うとともに、リファレンス・システム(※2)の開発を計画している。

広島市立大学・TISなど4者、「ウェアラブルセンサ信号のコンテナフォーマット」の国際標準化へ審議開始
ウェアラブルセンサ信号コンテナフォーマット技術が拓く未来像

※1 IEC TC(Technical Committee)100:オーディオ、ビデオ、マルチメディアシステムおよび機器の技術分野に関連する国際標準化を担当する技術委員会。
※2 リファレンス・システム:考案したウェアラブルセンサ信号コンテナフォーマット技術の機能や実装の検証用システム。

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