富士通、コンピューティング技術とソフトウェア技術を容易に利用できるサービス群「CaaS」を体系化

富士通株式会社では、これまでスーパーコンピュータ「富岳」に代表されるコンピューティング技術を開発・提供し、政府系機関や学術機関における宇宙や気象、感染症予防といった分野の研究開発を支援してきた。

また、量子インスパイアード技術を活用した「デジタルアニーラ」やAIなどの領域でも技術を有しており、これらの技術を組み合わせることで金融サービス、サプライチェーンの効率化やトレーサビリティの管理、電力需給予測、災害シミュレーション、創薬など、より広い分野に活用可能と考えている。

一方で、学術分野以外でのスーパーコンピュータやデジタルアニーラの利用は、一括購入による投資負担や、導入や運用面での専門技術者の確保が課題となっていた。

富士通は、富岳やデジタルアニーラに代表されるコンピューティング技術とAIなどのソフトウェア技術を、容易に利用できるサービス群「Fujitsu Computing as a Service」(以下、CaaS)として新たに体系化し、2022年10月より提供を開始する。順次グローバルにも展開予定だという。

提供の第一弾として、富岳に採用されたCPUをはじめとする技術を適用したスーパーコンピュータ「FUJITSU Supercomputer PRIMEHPC FX1000」(以下、PRIMEHPC FX1000)をクラウド型で提供する「Fujitsu クラウドサービス HPC」を、一般企業や団体向けに販売を開始した。なお、デジタルアニーラやAIのクラウドサービスについても、今後CaaSのサービス群として順次販売を開始するとのことだ。

CaaSのサービス群としてデジタルアニーラやAIのクラウドサービスと合わせて、その上で動作するソフトウェアやサービス連携基盤、コンサルティングやチューニングサービスも提供することで、各サービスをシームレスに連携し企業の導入や運用負荷を削減するとともに、個別のサービスを意識することなく最新技術の利用が可能となる。これにより、金融や製造、流通、物流、地震や津波予測などの防災、創薬や遺伝子治療といった医療分野など様々な分野における課題解決に貢献する。

富士通、コンピューティング技術とソフトウェア技術を容易に利用できるサービス群「CaaS」を体系化
「CaaS」のサービス群
今回提供を開始した同サービスは、ハイパフォーマンスコンピューティング(以下、HPC)の導入で課題となるソフトウェアやライブラリを標準搭載し、運用面では性能チューニングやアプリ分析といった作業を選択できるサポートサービスも提供し、企業の研究や解析への専念を支援する。

また、HPCで利用するコンピュートノード(※)、ログインノード、ジョブスケジューラ、ストレージ、アプリケーションソフトウェア一式が事前にセットアップされているため、企業側でHPCの環境を構築する必要がなく、解析に必要なデータを用意するだけで必要な時に必要な分だけ利用可能だ。

さらに、企業のビジネス計画と連動したHPC活用計画の策定や、富岳の運用知見を活かしたテクニカルサポートを提供する。具体的には、ソフトウェアやライブラリの導入支援サービス、チューニングサービスを利用することにより、企業側で技術者の育成や確保を行うことなくHPCの性能を最大限発揮することができるという。

そして、富岳と共通のCPU、ジョブスケジューラ、ファイルシステム、コンパイラ、アプリケーションソフトウェア、APIが利用可能なため、富岳で得られた研究成果を同サービス上に適用しやすく、社会実装の加速を支援する。また、企業が将来的に富岳を活用した大規模な解析や研究を見据えている場合は、同じ操作性で富岳を利用することができる。

富士通、コンピューティング技術とソフトウェア技術を容易に利用できるサービス群「CaaS」を体系化
「CaaS」で目指す世界
今後は、CaaSの先行事例として製造業向けの設計最適化や、創薬効率化など機関や企業との実証実験を予定している。

※ ノード:スーパーコンピュータにおけるオペレーティングシステムが動作できる最小の計算資源の単位。

プレスリリース提供:富士通