培ってきた製品や技術をトランスフォームするために必要となる人材育成 ―コニカミノルタ 大西氏インタビュー

コニカミノルタは2020年、中期経営計画「DX 2022」を発表し、コニカミノルタが培ってきた画像処理をはじめとする「イメージング技術」にAIやIoTの技術を組み合わせることで、DXビジネスの拡大と社内DXの推進を加速させている。

また、コニカミノルタが1988年より毎年公開している、技術論文集「テクノロジーレポート」の2020年版では、課題提起型デジタルカンパニーへのトランスフォーメションという特集の中で、「コニカミノルタのDXを加速するICT人財育成」という論文を掲載し、DXに必要な人材や育成に関する指針が描かれている。

そこで本稿では、コニカミノルタがDXへと舵を切った経緯をはじめ、DX実現のために必要となる人材像や組織体制などについて、コニカミノルタ株式会社 技術開発本部 技術戦略統括部 Co-Creation部 技術人財戦略グループリーダー 大西和子氏にお話を伺った。(聞き手: IoTNEWS 小泉耕二)

DXビジネス領域へ向けた人材強化計画

IoTNEWS 小泉耕二(以下、小泉): まず、中期経営計画でDXを掲げた経緯について教えてください。

コニカミノルタ 大西和子氏(以下、大西): 弊社は、複合機やヘルスケア機器、産業用計測機器などを製造し販売する電機メーカーとして、世の中に「モノ」を提供してきた企業です。

しかし2016年ごろから、「モノ売りからコト売りへ」という、ソリューション型のビジネスができる会社にしていこうという流れが生まれました。

そして現在の中期経営計画「DX2022」では、社会課題の解決に貢献するソリューションを提供するために、独自の「画像IoTプラットフォーム」をベースとしたDXを推進しています。

培ってきた製品や技術をトランスフォームするために必要となる人材育成 ―コニカミノルタ 大西氏インタビュー
「画像IoTプラットフォーム」をベース価値創造プロセスを表した図(画像提供:コニカミノルタ)

小泉: 「コニカミノルタのDXを加速するICT人財育成」という論文も、2020年版のテクノロジーレポートの「課題提起型デジタルカンパニーへのトランスフォーメーション」という特集の中で書かれていますよね。

DXビジネスへの転換を実現するために、人材育成が必要だということでしょうか。

大西: はい、その通りです。弊社には製品開発のプロフェッショナルは在籍しておりましたが、ソリューション開発を行える人財がいたわけではありません。

そこで、ソリューション開発人財の採用強化をはじめましたが、そうした人財は他の多くの企業も求めています。

採用だけで十分な人財を確保するのは難しいという判断のもと、社内人財育成にも力をいれる指針を示したのが、「コニカミノルタのDXを加速するICT人財育成」です。

新規のビジネス領域では、仮説検証のフィードバックに応じて最適な開発項目を組み立てる人財や、システムを1から構想できる人財、データドリブンで物事を考えられる人財などが必要です。

そうした人財像とその育成方法などを、「コニカミノルタのDXを加速するICT人財育成」で示しました。

DXを加速するために必要となる人材

小泉: 具体的にどのような人材を求めているのでしょうか。

大西: 「コニカミノルタのDXを加速するICT人財育成」の中では、プロダクトオーナー、データサイエンティスト、システムアーキテクト、ITアーキテクトという、4タイプのICT人財を定義しています。

プロダクトオーナーは、新たな製品開発を短サイクルで仮説検証し、技術・品質・リリース後の運用など、多様な観点から開発項目を最適化しリードします。

データサイエンティストは、市場や顧客の課題やニーズを、データを元に理解・分析し、解決施策の立案や、新たなビジネス創出を行う人財です。

システムアーキテクトは、顧客価値を向上させるシステムを1から構想・構築できる人財で、デバイス単体だけでなく、 IoTシステムとして進化させることが求められます。

ITアーキテクトは、サービスの企画からローンチまでの全工程と、販社による運用や保守を考慮したオペレーション設計、コストバランスを考慮したシステム運用設計をリードする人財です。

また、コニカミノルタでは昨今、独自のセンサーデーバイスとIoTプラットフォーム、イメージングAIを組み合わせた「画像IoT技術」を強みとして力を入れています。

培ってきた製品や技術をトランスフォームするために必要となる人材育成 ―コニカミノルタ 大西氏インタビュー
画像IoTを実現するため、デバイス、アルゴリズム、AIシステムを統合的に開発している。(画像提供:コニカミノルタ)

そこで、新たに「AIエンジニア」や「ソリューションディベロッパー」も強化人財に加え、「画像IoT技術人財」として、採用と育成によって2023年までに1000人にする計画なども発表しています。

培ってきた製品や技術をトランスフォームするために必要となる人材育成 ―コニカミノルタ 大西氏インタビュー
コニカミノルタ2021年IR資料より

目指すべき姿と現状のギャップを埋めていく

小泉: こうしたICT人材の育成は、社内のどのような人材を対象にしているのでしょうか。

大西: 基本的な考え方としては、自身の今後の業務やキャリアを踏まえ、身に付けたいスキルや担いたいロールに対して、自ら手を挙げてカリキュラムを受けてもらうという、オープンな体制を取っています。

一方、全社や事業部門ごとの人財戦略に基づき、選抜して専門知識やスキルを身に着けていただくケースもあります。

小泉: 部門の中で選抜するとなると、各部署にどのような人材をどのくらい確保しようという計画が必要になってくると思うのですが、人事と各部門が話し合って選抜するということでしょうか。

大西: 全社としての方向性や各事業部の事業ポートフォリオを踏まえながら、目指すべき姿と現状のギャップを埋めるための戦略を描き、それに基づいた強化計画を立てています。

小泉: 顧客起点での全社の方向性が打ち出され、各事業部に必要な技術を定義し、その技術を学ぶ人材を確保しようという流れなのですね。

また、教育を行う際の素材はどのように作られているのでしょうか。

大西: 大きくは、社内講師が作成するものと、外部の教育素材を活用するという2パターンあります。

コニカミノルタならではのノウハウや技術力が必要な部分に関しては、社内講師がカリキュラムを自前で作っています。

それ以外の、例えばWebアプリの開発など、汎用的かつ移り変わりの激しい分野に関しては、外部の教育カリキュラムを活用しています。

全方位にデジタルが落とし込まれた組織構成

小泉: これまでDX人材について様々な企業にインタビューをしてきましたが、デジタルに特化した部門を作りリードしていくケースや、デジタル部門と事業部門とがやりとりをしながら解決していくケースなど、様々なパターンで人材育成や組織づくりをされていました。

そうした「人材」や「組織」という観点からの全体的な構成は、どのようになっているのでしょうか。

大西: 弊社では、デジタルに特化したエンジニアが多く在籍し、コア技術や新規ソリューションの開発、全社支援をするような共通開発部門もある一方で、各事業部門それぞれでもデジタル人財を強化しています。

小泉: 確かに、IT企画部や技術開発本部のほかにも、DW-DX事業本部、画像IoTソリューション事業部など、デジタルに関連した名称の部門がありますね。

大西: 私が在籍する技術開発本部は共通開発部門ですが、自分たちの中で閉じた開発だけを行っているのではなく、場合によっては事業部の方々と一緒にプロジェクト化して開発を行ったり、自社を超えパートナー企業の方々と共創することもあります。

小泉: 事業部の中でのDXプロジェクトとなると、具体的にどのような事例があるのでしょうか。

大西: 事業部では機器の製造・販売も行いますが、それに付随するアプリケーションやデバイスのUIなども開発していきます。

例えば介護事業であれば、これまで介護スタッフが入居者の部屋を頻繁に見回ってケアしていた部分を、AIを搭載したセンサーとスマートフォンを軸としたシステムでサポートするソリューションを提供しています。センサーに搭載するAI技術や、得られたデータを分析したり、介護士の皆さんがより使いやすいUIの提供するといったところで、DX人財が必要になります。

小泉: 各事業部の中での新製品やサービス開発にもAIやIoTが活用され、システム開発を行うIT部門、事業部との連携を行いリードするような部門もあり、DX人材は様々なシーンで活躍ができそうですね。

推進力のある人材が活きてくる社内風土

小泉: 最後に、コニカミノルタに応募したいと考えている読者に向けてのメッセージをお願いします。

大西: 私自身コニカミノルタで働いていて感じるのは、自分の考えで企画・提案を行ったり、プロジェクトを進めたりということを実現しやすい会社だということです。

そもそもコニカミノルタにはそうした風土がありますが、今は特に会社がDX変革の真っただ中にいます。自分で物事を推進していくのが得意な方、好きな方は活躍のチャンスが本当に沢山あります。

ご自身の才能や学んだこと、「やりたい」と思っていることをどんどん現場で発揮し、企業としての成果が出ると同時に、思い描くキャリアを歩んで成長を続けていただくことが、会社にとっても社員にとっても一番幸せな形だと考えています。

常に理想を目指し企業としての努力を続けますので、この記事を読んで、面白そう、やってみたいと思っていただける方は、是非一度弊社をご検討ください。

小泉: 本日は貴重なお話をありがとうございました。

コニカミノルタではこんな人材を募集中

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企業名

コニカミノルタ株式会社

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