ST、センサ内部でのAI学習を実現するMEMSモーション・センサ「ISM330ISN」を発表

STマイクロエレクトロニクス(以下、ST)は、インテリジェント・センサ・プロセッシング・ユニット(ISPU)を搭載した、新しいMEMSモーション・センサ「ISM330ISN」を発表した。

「ISM330ISN」は、状態や動作を検出する常時オンの6軸MEMSモーション・センサだ。組込みAI機能を使用することで、サイズの小型化や消費電力を抑えている。

また、AI機能が組み込まれているため、IoT機器が外部マイクロコントローラ(マイコン)に接続することなく、センサ内部でモーション検出機能を処理することができる。

センサは3軸加速度センサと3軸ジャイロセンサを内蔵しており、最大6.6kHzの出力データ・レート(ODR)をサポート。加速度センサとジャイロセンサの両方を動作させた状態でも、低消費電流(0.59mA)を維持している。

さらに、センサ・チップ上には機械学習アプリケーションに最適化された専用プロセッサであるISPUを集積しており、センサとマイコンを1パッケージに集積する場合と比べて、実装面積および消費電力を約50%削減している。

STのISPUアーキテクチャは、デジタル・シグナル・プロセッサ(DSP)をベースに40KBのRAMを内蔵し、センサ・ダイにおいて使用するゲート数は8000だ。単精度浮動小数点演算で処理を行うため、機械学習アプリケーションやバイナリ・ニューラル・ネットワークに適している。

導入用途は、IoT機器や産業機器における予知保全用の状態モニタ機器、バッテリ駆動のアセット・トラッキング機器、ロボットなどの産業アプリケーションが挙げられている。

また、ISPUはSTのオンデバイス学習ソリューション用ソフトウェア・ツール「NanoEdge AI Studio」を使用してプログラミングすることが可能。これにより、機械学習ライブラリの自動生成や、ISPU内部にAI学習機能を組み込んだ異常検知用ライブラリの設計を行うことができる。

サイズは従来と同じパッケージで提供されるため、既存の回路基板レイアウトを変更することなくアップグレードが可能だ。

「ISM330ISN」は、2022年後半に量産が開始され、STのウェブサイトまたは販売代理店で提供される予定。単価は、1000個購入時に約3.48ドルで、ISPU用に設計されたライブラリを作成できる「NanoEdge AI Studio」は、STのウェブサイトから無償で入手することが可能だ。

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