製造現場では、製造工程の脱炭素化が課題のひとつとなっているが、CO2排出量などのデータは、自社工場やサプライチェーン各社の複数システムがOT領域に保持しているため、サプライチェーン全体で共有できる仕組みを作ることが求められている。
そうした中、NTTコミュニケーションズ株式会社(以下、NTT Com)とオムロン株式会社は、日欧連携共同トライアルに2021年度より取り組んできた。そして本日、製造業DXに向けた共創を、2022年10月3日より開始することを発表した。
両社はこれまで、ドイツ政府・フランス政府が発表しているインフラ構想「Gaia-X」で使われる「IDSコネクター」を用いた相互接続検証を行ってきたが、今回発表された共創により取り組みが拡大される。
具体的には、2022年10月から両社共同で実験環境を構築し、NTT Comのデータ利活用プラットフォーム「Smart Data Platform(以下、SDPF)」や、NTT Comと株式会社NTTデータが開発する「データ連携プラットフォーム」を活用することで、ドイツの自動車メーカーなどが運営するデータ連携基盤である「Catena-X」や、オランダのデータ基盤「SCSN」など、欧州の各種データ連携基盤との相互接続を実現する。
さらに、データ主権を保護した上でCO2排出量などの国際データ連携が可能な「データ連携プラットフォーム」の実用化と、「データ連携プラットフォーム」を活用したソリューションをIT領域で提供する。
また、両社は、製品や生産に関するOT領域のデータを企業間で共有するために、IT領域に位置する「データ連携プラットフォーム」と、OT領域に位置するコントローラを相互接続する。

5Gなどのモバイル系ネットワーク、グローバルネットワーク、エッジコンピューティングサービス「SDPF Edge」や、データを流通・連携させる仕組み「withTrust」と、オムロンのコントローラを接続し、生産工程で把握した原材料の種類やエネルギー消費量、品質などのデータを精緻に収集、分析、活用できる仕組みを共同で検証する。
さらに、オムロン独自の自動化ソリューションをOT領域で提供することで、生産現場の設備の稼働率や制御方法の最適化を行う。最小化されたカーボンフットプリントを精緻にデータ化し、CO2排出量の削減・可視化を可能とする。
また、資源循環に向けた各資源の使用状況や廃棄状況の可視化と、再利用促進の実現に向けた共同での技術検証を開始する。
今後両社は、開発されたプラットフォームを欧州の各種データ連携基盤だけでなく、グローバルな製造業向けシステムやクラウドの接続に拡大させ、国際標準インターフェイスへの対応を支援する。
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