旭化成とTIS、偽造防止デジタルプラットフォーム「Akliteia」を構築

製品やサービスを最終消費者へ届けるサプライチェーンは様々なリスクにさらされている。

この問題に対しては、被害実態の定量的把握が難しいことから、対症療法的な取り組みに終始することが多く、サプライチェーン可視化を含む、商流全体での取り組みが求められている。

そうした中、旭化成株式会社とTIS株式会社は、偽造品問題へのソリューションとなる新しいデジタルプラットフォーム「Akliteia(アクリティア)」を構築し、皮革製品・鞄などのアパレル業界に最適化したサービスを、2022年10月より日本国内で開始した。

「Akliteia」は、「偽造防止ラベル」「真贋判定デバイス」「ブロックチェーン」の3要素で構成されており、真正性と原本性を担保するプラットフォームだ。

偽造防止ラベルは、旭化成独自の材料と技術を用いて製造された透明なラベルで、サブミクロン解像度の特殊パターン(1ミクロンを下回る細さで描かれた微細なパターン)が印刷されている。(トップ画白丸部)

この偽造防止ラベルを対象の製品に実装し、製造工場、物流倉庫、小売店舗やEC倉庫など、サプライチェーンの各拠点で旭化成が提供する真贋判定デバイスによりスキャンすることで、各拠点でその製品が真正品であるかどうかを確認し、数量を把握することができる。

旭化成とTIS、偽造防止デジタルプラットフォーム「Akliteia」を構築
左:偽造防止ラベルのイメージ 右:偽造防止ラベルを真贋判定デバイスでスキャンしている。

さらに、真贋判定デバイスのスキャン結果は、TISがブロックチェーンプラットフォーム「Corda」を用いて構築したクラウドサービス「Akliteiaネット」に記録される。

「Akliteiaネット」は、偽造品の発生状況をサプライチェーン全体で確実に共有することを可能にし、サプライチェーンのどの段階で偽造品が多く混入されたかなど、被害実態の定量的な把握・可視化が行えるようになる。

また、サプライチェーンの変化に応じて、情報の共有範囲を変更できるため、ビジネスプライバシーも確保することができる。

皮革製品・鞄などのアパレル業界に最適化したサービスでは、製品への偽造防止ラベルの直接実装や、下げ札などを用いた実装ができるシステムを提供する。

まずは偽造品問題に対して皮革製品・鞄などのアパレル製品を対象にサービスを開始し、対象業界を順次拡大していく。

2023年度には、個別の製品の流通状況を把握できるRFID機能付き偽造防止ラベルによる真正品トレースサービスも開始予定だ。さらに2024年度からは、海外でのサービス開始を目指しているとしている。

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