インテック、自治体向けIoTプラットフォームとカメラ画像のAI解析を活用した避難所混雑検知の実証実験を実施

広域災害が発生した場合、多くの職員も被災する中、限られた人員で災害対策本部と遠隔地の避難所の情報連携を迅速かつ正確に行うことが重要となる。

株式会社インテックは、2022年6月から富山県データ連携基盤の調査・実証業務を受託している。

このほどインテックは、2022年10月16日に行われた富山県総合防災訓練において、インテックが開発した分野横断でデータの共有・活用が行えるデータ連携基盤の自治体向けIoTプラットフォームと、カメラ画像のAI解析を活用して、避難所の混雑検知の実証実験を実施した。

同実験においては、株式会社バカンのステレオカメラ(※1)による混雑可視化サービスを利用した避難所の出入り人数の検知、トレイルカメラ(※2)での避難所内の様子を定点観測し、自治体向けIoTプラットフォームサービスでのAI解析により、避難所の全体的な混雑度を遠隔地でリアルタイム検知が行えるかを検証した。具体的な内容は以下の通り。

ステレオカメラによる検知

バカンの混雑可視化サービスを利用し、広域避難所入口にステレオカメラおよび解析機器を設置した。避難所入口の出入り数をカウントし、混雑状況を表示した。その結果、避難者を乗せたバスの到着時刻に合わせて、グラフの山が来ることが把握できた。しかし、スタッフの往来が多く避難者のみを検知することが難しかった。入口は今回機器を設置した箇所のみになるが、出口は他にも開放されていた扉があり、避難所から出てきた人数の件数を正確に把握するための仕組みは検討が必要とした。
インテック、自治体向けIoTプラットフォームとカメラ画像のAI解析を活用した避難所混雑検知の実証実験を実施

トレイルカメラによる検証

避難所2階バルコニー部分に三脚を設置、トレイルカメラにて避難所全体を撮影する。撮影した画像をAI解析して、人数をカウントした。結果、AI判定結果と目視結果とがおおむね一致した。また、被写体が小さいと判定が困難であったが、カウントを条件設定(信頼度や判定範囲での絞り込み)することで判定結果が改善した。しかし、今回の規模のホール全体を判定する場合には、確度向上のため、カメラを複数台設置する必要がある。
インテック、自治体向けIoTプラットフォームとカメラ画像のAI解析を活用した避難所混雑検知の実証実験を実施

それぞれの解析結果を合同調整所(本部)でモニタリング

合同調整所テント内にて、避難所に設置してある機器の状態や解析結果のグラフについて、インターネット通信によりモニタリングを行い、本部担当者が閲覧できること、遠隔地でも避難所の混雑状況(埋まり具合)が把握できることを検証した。その結果、通信は問題なく行え、遠隔地でのモニタリングの検証が実施できた。

合同調整所での使用を鑑み、今後の利便性向上として、公開サイトに道路や建物の損傷を書きこめる白地図ホワイトボードのようなレイヤを設けるなど、各機関が迅速に情報連携する仕組みを実装するなどを検討に入れるとともに、避難所以外にも、給水所の状況など公益性が見込まれる情報の検討を行う必要があるとした。
インテック、自治体向けIoTプラットフォームとカメラ画像のAI解析を活用した避難所混雑検知の実証実験を実施
なお、インテックは富山県および県内15市町村で構成する「データ連携県・市町村連絡調整会議」において、データ連携基盤を観光・防災分野で活用することについて協議しており、今回の実証実験はその取り組みの一環となる。

※1 ステレオカメラ:二つのカメラで構成され、距離測定が行えるため、空間把握能力が高いカメラ。画像をエッジ処理して解析結果を伝送することが可能。
※2 トレイルカメラ:電源不要(電池駆動)で活用できる、汎用的なモニタリングカメラ。撮影画像を定点観測としてサーバに伝送し、結果を解析することが可能。