物流業界のオープンデータ活用に高い関心、フレームワークス「物流オープンデータ活用コンテスト」表彰式を開催

大和ハウスグループで物流システムの開発を行っている株式会社フレームワークスは、「大和ハウスグループ・フレームワークス物流オープンデータ活用コンテスト」の表彰式を、2016年9月12日(月)に東京大学大学院情報学環ダイワユビキタス学術研究館において開催し、入賞作品を発表した。同コンテストは実際の業務の物流データをオープンデータとして公開。IoT時代におけるオープンデータを活用した物流への新提案の募集を行った。

坂村氏登壇

本コンテストの審査員長を務めた東京大学教授 坂村 健氏は、日本の少子高齢化、業務コストの削減が進む中で、イノベーションを進めていくためにもオープンデータ化の必要性があると感じており、さらに、ロンドンオリンピック、リオデジャネイロオリンピックなどを契機としてオープンデータを活用したアプリコンテストなどが同国で盛んに開催されており、東京オリンピックにおいてもそのようなオープンデータの利用が盛んになることが予想されるため、それに先駆け、オープンデータ活用コンテストのユビキタス情報社会基盤センター共催に至ったという。

最優秀賞(ビジネス部門)
「先輩!秘密の休憩場所を教えてください!」

フレームワークス_最優秀賞

神奈川県中小企業診断協会 オープンデータプロジェクトチームによる「先輩!秘密の休憩場所を教えてください!」は、運送ドライバーの「先輩たち」のそれまでの運行を記録したビッグデータから、その時、その場、その状況で休息できる場所を割り出し地図上に表示する、それにより、経験の浅いドライバーが、休憩場所を発見できずに休憩が出来なかったり、休憩場所探しに時間を割かれる事を防止し、運行業務の効率化・安全性確保を実現するというものである。業務改善や作業効率の向上といった観点での作品が多い中、長距離運転の必要があるドライバーの休憩場所という意外な切り口でオープンデータを利用した本作品が最優秀賞となった。
説明動画

 

優秀賞(ビジネス部門)
物流管制センター ~ドライバーに易しい長距離輸送の実現~

フレームワークス_物流管制センター

ウイングアーク物流コンテストプロジェクトチームAは、長距離物流ドライバーの長い労働時間と拘束時間に目を付け、それらを軽減するゾーン型配送を支援するために、物流センターから3時間で行ける範囲を地図上にエリア表示し、輸送トラックの交代を行うための荷物の受け渡しが可能なクロスポイントを算出することで、1台のトラックが長距離を輸送することなく、複数のトラックが荷物を受け渡しながら輸送するための物流管制センターの仕組みを開発した。このシステムには以前IoTNEWSにてインタビューを行ったウイングアーク1st Motion Board の技術が使用されている。

ゾーン配送

 

優秀賞(ビジネス部門)
LogiZap MotionBoard ~ 新しいレイバーマネジメントによる人材確保と業務効率化の提案 ~

logizap

ウイングアーク物流コンテストプロジェクトチームBは、Motion Boardを利用して倉庫内作業、ピッキングを行う作業者のピッキング実績や、バイタルデータから個人の活動量を計測し、移動距離、消費カロリーを可視化することで、作業者に賃金以外のやりがいを感じさせ、管理者側にはバイタルデータの取得によって事故防止、それぞれの棚へのアクセス回数分析によってレイアウト効率化のためのデータを供給し、効率的な庫内環境を整えることを支援するためのシステムを開発した。
logizap説明画像

 

優秀賞(一般・教育・ゲーム部門)
「運転日報」「トラック運行チャート情報」の2次元/3次元可視化アニメーション

可視化アニメーション
荻野氏が作成した本作品は、運転日報、トラック運行チャート情報というオープンデータを元に輸送トラックの動態を2次元、3次元のアニメーションで視覚化を行い、トラックの信号待ちや小規模渋滞の状態などを確認できるビューアだ。このような視覚化を行い、輸送業務においてどのような問題があるか、何に着目して解析すればいいかといった指針を立てるための第一歩となることを目的としている。

 

優秀賞(研究部門)
視覚障害者による倉庫内ピッキング作業の協調のための進化的ロジスティクス最適化

視覚障碍者、ピッキング最適化

筑波大学のグループによって書かれた本作品は論文形式となっており、視覚障碍者が倉庫内のピッキング作業に従事する際に視覚障碍者同士の接触や衝突を避けるために、マルチエージェントシミュレーションによって、移動経路最適化システムの提案であった、他の作品とは大きく異なり、障碍者の雇用という社会問題に一つのソリューションを提示したという点で優秀賞となった。

視覚障碍者_衝突

審査員特別賞は下記の2作品が受賞した。

審査員特別賞(一般・教育・ゲーム部門)
作品名:Caribou
応募者名(チーム名):石川大夢と乃村研究室の仲間達
審査員特別賞(研究部門)
作品名:予約ベースの物流プラットフォーム事業の立ち上げについて
応募者名(チーム名):明治大学専門職大学院 グローバルビジネス研究科
橋本雅隆、二見徹、山本緑、中三川利菜、左向貴代

また、ルクセンブルク貿易投資事務所から申し出により、「ルクセンブルク経済省特別賞」が設けられ、社内のグループから2作品の優秀賞を輩出したウイングアーク1stが受賞し、2016 年11月22日・23日にルクセンブルクで開催するICTイベント 「Luxembourg internet-days」への招待参加権が贈られた。

ルクセンブルク経済省特別賞
坂村氏は講評として
「今回のコンテストでは、作品応募はされなかったがエントリーされた方は多数おり、物流業界のオープンデータという取組みへの高い関心が示されました。審査委員長としては、エントリー後に作品応募まで進む方がさらに増え、また公開されている色々なオープンデータを総合的に使って面白い結果を出されることにも期待したいと思います。さらに今後は全世界応募という方向に舵を切り、日本だけではなく世界からの知恵を集めたオープンデータコンテストにしていきたいと思いました。」と述べた。

【関連記事】
IoTに対応するBIツールはここまで進化している -ウイングアーク1stインタビュー

【関連リンク】
フレームワークス(FRAMEWORX)
ウイングアーク1st(WingArc1st)

Previous

エキサイト、人工知能搭載レコメンドエンジン「wisteria」の外部提供を開始

ソフトウェア会社イーソル、車載機器や家電製品へのロボット制御フレームワーク「ROS」の導入支援を開始

Next