フレームワークス主催 第二回 次世代ロジスティクスオープンデータ活用コンテスト

2016年に続き、大和ハウスグループで物流システム開発を行っている株式会社フレームワークスとYRPユビキタス・ネットワーキング研究所が2回目物流オープンデータ活用コンテスト「次世代ロジスティクスオープンデータ活用コンテスト」を4月28日から実施する。

本コンテストは物流 産業が抱えている様々な問題解決のためイノベーションを起こす目的で始まり、去年の成果がよかったため、今年も開催されるようになった。世界各国で人工知能(AI)活用事例が増えている中、今年のコンテストではビジネス、AIや研究部門でアプリケーションやウェブサービス、調査レポートやガジェット、幅広い分野で募集をしている。

国籍、年齢、移住地などの制限なし、個人、グループや法人どなたでもフレームワークス社のサイトで応募できる:フレームワークスコンテスト

募集期間は2017年4月28日から2017年9月27日まで、結果発表予定は2017年11月だ。

今回公開されるデータは下記の通りだ:

物流に関するデータ 大和物流株式会社及び、株式会社Hacobuの実在する物流トラックの走行記録を公開し、物流トラックの実際の走行位置の情報を含め、コンテスト期間中は毎週更新する。

倉庫に関するデータフレームワークスの倉庫管理システム「iWMS」(アイダブルエムエス)のデータを中心に、化粧品や靴のオンラインショッピングの倉庫出荷実績データ。

HEMSに関するデータ 大和ハウス工業株式会社が保有する戸建住宅の電力・ガス・水道使用量のデータ。

人口統計に関するデータ 株式会社マイクロベースの、男女別年齢人口、配偶関係・男女別15歳以上人口、世帯の種類・世帯人員別一般世帯数などをはじめとした、18のメッシュ統計を公開する。

上記のデータがコンテストのユーザー登録を行った方のみに公開される。オープン化されたデータを使い、本コンテスト参加者がソリューションやアプリケーションなどを開発・公開し、審査される。

東洋大学情報連携学部INIAD学部長の坂村氏、株式会社フレームワークス代表取締役社長秋葉氏、さくらインターネット株式会社フェローの小笠原氏と大和ハウス工業株式会社常務執行役員浦川氏といった4人が審査会を実施し、優勝者を決める。最優勝賞は200万円で、賞金総額は500万円にも上る。

ニューラルネットワークによってブレークスルーをなし遂げた人工知能や実践的なロボットが物流を含めて、様々な分野で活用される時代になっている。

アマゾンのような大手企業がすでに小売りや物流にAIを活用し、顧客の好みに合わせてリコメンドすることで売り上げを高めるが、そこまで規模が大きくない企業でもAIの活用で利益を得ている。その例の一つとしてドイツの電子商取引業OTTO社が紹介された。同社が6000ブランドの220万商品を扱っており、最大課題になっていたのは大量の返品要求だった。ここでOTTO社がビッグデータを使い、「注文から2日以内に商品が届き、一つのパッケージに入っている」場合、返品が少ないというパターンが分かった。同条件を達成するため、OTTO社がディープラーニングを使って顧客が注文を出しそうなものを事前に注文するようになった。30日以内で売れる商品が90%の精度で予測されるため、毎月必要となる商品を事前に購入し、毎年200万商品の返品を削減できたという。

坂村氏がAIヤロボットに関して小売りや物流にて次のような5つの可能性を考えている:
1. 物流の完全自動化
2. 倉庫作業の効率化(AIによる商品ピッキング順調の設定など)
3. 郵送作業の効率化
4. 長期スパンの効率化
5. 会話形式での配達確認や日時・場所の変更

大和ハウスグループは物流施設を建設し、統合物流ソリューションを提供しているフレームワークスを傘下にしているため、物流分野でのイノベーションに興味を持っている。同社が通常ブラックボックスされていた物流データを去年初めてオープン化し、新しいアイディアを探っている他、様々な企業がデータをオープン化することを期待している。

人手不足や最適でない労働条件など、様々な問題を抱えている物流産業だが、それを各企業が単独で開発するソリューションで解決できると考えにくい。また、AIやロボット導入で同産業が大きく変わる可能性が高いため、その変化に今準備が必要である。

日本で最新技術を採用しているニトリ社がAutostore倉庫ロボットとButler配送ロボットの導入計画を発表した。大和ハウス工業株式会社はニトリに見習って、Butler配送ロボットを提供しているGround Incに出資し、倉庫で80%の省人化を計画している。

一方、さくらインターネット社が去年からIoTプラットホームを開発し、今年から「sakura.io」プラットホーム・サービスを提供しはじめ、さらにIoTデバイス用LTE通信サービスを提供している。去年に続いて、同コンテストをサポートしている。

オープンデータ活用コンテストで主催者が物流産業用の新しいソリューション開発を目指す他、海外で有効性が証明されたオープンデータ化動きを新技術発展やイノベーションのため日本でも促進させたい思考があり、今年も様々な参加者を期待している。

>> コンテストの詳細はこちらから

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