NECの製造現場での無線干渉への取り組み ーワイヤレス・テクノロジー・パーク2017 レポート2

5月24日(水)から26日(木)にかけて東京ビッグサイトにて、ワイヤレス・テクノロジー・パーク2017が開催された。

本レポートのシリーズでは、製造現場における監視・管理への無線通信の活用に付随したテーマで各企業の取り組みを紹介する。

ワイヤレス・テクノロジー・パーク2017 レポート:

  • サンリツの製造現場における監視・管理へのIoTの活用
  • NECの製造現場での無線干渉への取り組み
  • オムロンの製造現場での無線干渉への取り組み
  • 第二回目は、前回の記事で述べた*情報通信研究機構(NICT)が主催する、*Flexible Factory Projectのメンバーである日本電気(NEC)の本プロジェクトでの取り組みを紹介する。

    無線干渉の問題にどう取り組むか

    NECが無線仮想化に取り組んだ背景
    NECの通信仮想化技術

    NECによると、工場にはつなぐべき機器があまりに多く、IoT化する上での課題となっているそうだ。機器をネットワーキングする方法としてまず考えられるのはケーブルで物理的に結ぶことだが、すべての機器を「有線化」すれば、工場内が配線だらけになるばかりでなく、ケーブルの破損のリスクが増大する。さらに、「つなぐ」ことを前提にしていない古い機器の場合、ネットワーキングすること自体が難しいケースが少なくない。その課題を解決し、工場のIoTをさらに推し進める方法として期待されているのが「無線化」だという。

    だが、製造現場では様々な機器が無線ネットワークに繋がっている。そのため、大量のデータを必要とする製造業のIoT化では、無線干渉やセキュリティ上での懸念があるそうだ。NECでは、これらに対応する手段として*SDNで使用するスイッチを組込みソフトウェアとして活用した無線通信仮想化により、デバイスの通信を遠隔集中制御している。

    最適な無線経路自動選択 

    また、NECによると、製造現場での無線活用には多くの課題があり、工作機器による無線の遮蔽・反射やノイズにより、通信が不安定になり、実運用に耐えられない状況だという。

    現在、NECでは、無線通信状況をリアルタイムに収集・判断し、複数の無線経路から最適なものの選択を行い、最終的にデータを複合することで、安定化した無線通信環境を提供する仕組みの開発に取り組んでいる。

    ワイヤレス・テクノロジー・パーク2017:

  • サンリツの製造現場における監視・管理へのIoTの活用
  • NECの製造現場での無線干渉への取り組み
  • オムロンの製造現場での無線干渉への取り組み
  • NICT:総務省所管の国立研究開発法人。情報通信技術の研究開発や、情報通信分野の事業支援等を総合的に行うことを目的とし、全国8か所の研究拠点、2か所の電波送信所をもつ。
    Flexible Factory Project:工場内では様々な無線システムが混在することにより、無線通信が不安定化する課題があり、これらの課題に取り組むため2015年6月から、同プロジェクトを立ち上げ、複数の稼働中の工場において、無線環境評価と無線通信実験を1年以上にわたって実施してきた。
    SDN(Software-Defined Networking):ネットワークをソフトウェアで制御する概念

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