ソラコム、グローバルSIMで使わないときは無料になる機能を提供、デバイス組み込みが可能な小型SIMなども同時発表

グローバルにIoT通信プラットフォームを展開するソラコム社、8月にKDDIの傘下に入ってから初の大型サービスリリースを発表した。

株式会社ソラコム 代表取締役社長 玉川 憲氏から発表されたサービスアップデートは、特にグローバル向けのサービスが拡充されるとともに、実際にSORACOMを利用しているユーザー企業のニーズを汲み取った機能を中心に実施されており、海外の企業だけでなく、海外に展開をする通信機能を搭載したIoT機器を販売する日本企業にとっても、そのサービス展開を後押ししてくれるサービスアップデートといえるだろう。

SORACOMプラットフォームに加入者管理機能(HLR※)を実装

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すでに日本、米国、欧州で提供しており、1枚のSIMで国ごと異なる通信事業者と契約することなく通信を利用できるデータ通信サービス「SORACOM Air For セルラー」のグローバル向けAir SIMにおいて、加入者管理機能(HLR)を独自実装し、IoT​​用途により適した柔軟な回線管理機能を​​ウェブコンソールやAPI​​を通じて提供するサービスを開始した。

※HLR:「Home Location Register」の略、SIMに紐づけられている加入者情報識別子や電話番号等の加入者情報を管理する機能

HLR実装とともに、ユーザーがより柔軟な通信製品の提供が可能になる新料金プラン

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従来は、SIMの発行元であるMNO(docomo等)のHLRを利用しており、この「グローバル向けAir SIM」で提供するSIMカードは一度出荷され通信の利用を開始すると、データ通信の利用有無に関わらず一定の基本料金がかかってしまっていた。

しかし、この加入者管理機能(HLR)をSORACOMプラットフォームに実装することで、ユーザー企業自身が柔軟な回線管理機能を提供することが可能になるのとともに、利用していない期間の料金を削減したり、利用開始後ににしばらく使わない場合のステートを追加するなどを盛り込んだ、IoT向けの柔軟な新料金プランを提供できるようになった。

例えばこれにより、ユーザー企業自身で回線の開通や停止をコントロールすることができるので、在庫期間中や利用中断中の基本料金を無料にすることができる。通信の工業製品を出荷する製造業の場合、製品の在庫期間中に通信料を支払うことなく、また、出荷後、通信が必要なときのみ課金を行うことも可能になるので、ユーザー企業はより一層、グローバルに向けた通信機能を搭載したサービスや製品を提供しやすくなるといえるだろう。

料金

・初期費用
契約事務手数料​ ​1​ ​回線​ ​(SIM)​ ​あたり​ ​5​ ​USD​ ​+​ ​送料

・​基本料金
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price2

-plan01s-Low​ ​Data​ ​Volume

機器への組み込みが可能なチップ型SIMの提供開始

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「グローバル向け Air SIM」のもう一つの目玉アップデートは、機器への組み込みが可能なEmbedded SIM(チップ型SIM)の提供を開始することだろう。

今回ソラコムが提供するチップ型SIMは、MFE2(Macine Form Factor2)と呼ばれる5×6mmのICチップにSIMの機能を搭載したものであり、カード型とは異なり、様々な通信デバイスに直接組み込んで利用できる。つまりは、電子基板上に直接組み込むことができるため振動に強く、車載や工業製品などのM2M/IoT製品には最適だといえる。

料金

・6USD/1枚(提供ロット3000枚以上)

SIM詳細

・温度耐性:Operating-40°C+105°C/Storage-40°C+125°C
・メモリサイクル:500,000サイクルat+105°C
・データ保持:15​​年間​​at​+85°C

IoT/M2M機器に適したセキュアなSMSサービスの提供開始

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契約者のみの送受信が限定されたネットワークにおいて、ウェブコンソール/API経由のSMS送信と、機器から送信されたSMSをSORACOM Beam/SORACOM Funnel/SORACOM Harvestへ連携することができるようになる。

SMSはIoT用途では、スリープモードになっている機器の起動や各種設定情報の投入、またはIoT機器からのデータやアラートの送信に利用されたりしているが、通常、携帯電話通信網内に接続する機器同士での送受信が前提となっており、外部のサーバーからのメッセージ送信には、それに対応した別のソリューションが必要であった。

しかし、今回のサービスにより、SORACOMのAPIからSMSを送ることができるようになる。

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この機能は、あらかじめ認証を行ったSORACOMのAPI経由から、ユーザー企業が管理しているSIM宛しか利用ができないため、外部からのSMSによる不正アクセスを防ぎ、セキュアな機能利用が可能になる。

また、逆にIoTデバイスから外部サーバーへのSMS送信も可能となっており、データ転送サービスである「SORACOM BEAM」や、クラウドリソースアダプタの「SORACOM Funnel」、データ収集、蓄積が行える「SORACOM Harvest」などのサービスと組み合わせることで様々な利用用途に広げることができるのが特徴だ。

「SORACOM」独自のアプレットを組み込んだSIMの提供

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SIMのOS上に実装されているJAVAアプレットの実行環境を利用し、SORACOM独自のアプリケーションをアプレットとして組み込むことで、SIM上で様々な拡張機能を実行できるようになる。その第一弾として、チップを搭載ししたデバイス側の情報をレポートできる機能を提供する。

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従来であれば、SIM経由でOSまたはデバイス側のアプリケーションに対して、デバイスのLocal情報を要求する必要があったが、これによりSORACOM経由でSIM対してデバイス側の情報、例えば端末を識別するIMEIや、ネットワークの種類、バッテリの残量などを簡単に取得できるようになる。これはサービス開始初めに提供する一例であり、今後はユーザー企業の要望に合わせて様々なアプレットを追加開発をしていくとのことだ。

省電力広域通信技術Sigfoxネットワークのレンタル基地局サービス

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低価格・省電力・長距離伝送が特長であるSigfox​​はLPWA​​を代表するグローバルな通信規格として各国で導入が進んでいる。

「SORACOM」のウェブコンソールではSigfoxデバイスが1個から購入することができ、また、通信の開始や解約などの回線の一括操作・管理を行う事ができるようになっている。また、データの送信先の指定や暗号化、クラウド連携、データの収集・蓄積などが簡単に行うことができ、スピーディにSigfoxを活用した​​IoT​​システムを構築できる。

京セラコミュニケーションシステム(KCCS)​​は国内における唯一の​​Sigfox​​オペレーターとして、インフラ構築およびネットワークサービスの提供を行っており、KCCSは「Sigfox」のレンタル基地局を始めるとともに、ソラコムを通じた利用も開始することとなった。ソラコムを通じて申込むと、「SORACOM」プラットフォームでの利用料金とレンタル基地局の請求をひとつににすることができる。

これによりSigfox​​ネットワークが対応していないエリアや電波の入りにくい地下・屋内といった場所でも、セルラー通信が繋がる場所にレンタル基地局を設置すれば、どこでも​​Sigfox​​のデバイスが利用できるようになる。

また、SORACOM​​対応の​​Sigfox​​デバイスとして、「Sigfox​​ Shield​​ for ​​Arduino​​(UnaShield​​V2S)​」を販売開始する。このデバイスには、Sigfox​​通信モジュールと5種類のセンサ(温度、湿度、気圧、加速度、ボタン)を搭載しており、​Arduinoに接続し、ソフトウェアを組み込むことで、簡単に​ ​Sigfox​ ​を活用した​プロトタイプが開発できる。今回このほかに、同じくSigfoxセンサーキットの「Sens’it」、オプテックス社の「ドライコンタクトコンバーター」も販売開始する。

レンタル基地局の料金

初期費用:24,800円
月々の利用料:9,800円
※バックエンド回線費、Sigfox​ ​クラウド利用料、保守運用費込
※2年契約、2年経過後以降1年更新

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