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回線管理やデバイス管理もできる、KDDIのセルラーベースLPWA登場

KDDI ビジネスIoT企画部 部長の原田圭伍氏によると、KDDIのM2M/IoTの取り組みは2001年のココセコムに端を発するのだという。その後、G-BOOKというトヨタのカーナビ、ミサワホームのGAINETという地震計測、スマートメーターなどに利用されててきたということだ。

2015,2016年に、スマートメーターが年間100万台導入されてきており、自動車会社での利用や各種PoCの取り組みもふえてきており、利用回線数は指数関数的な伸びが見えてきている状況だという。通信の安定性や品質面を求める一方で、価格の低減を求める企業を中心に利用が広がってきているということだ。

現在のKDDIのIoTソリューションをまとめると、下の図のようになっている。

KDDI LTE-MでのLPWA

現状、「通信ネットワーク」と「データ活用・クラウド」部分でサービスを提供しており、通信ネットワークレイヤーにおいては、いわゆるLTE通信だけでなく、グローバル通信プラットフォーム、KDDI IoTコネクトAirというソラコムと一緒にスタートしたサービスが利用可能となっている。さらに、LoRaやSigfoxのサービスも始まっている。

そして、今回、セルラー通信網であるLTE(LTE-M)の回線を利用した、LPWAを始めたというコトだ。

LTE-Mというと聞きなれない読者もいると思うが、LPWAの一種だ。

KDDI LTE-MでのLPWA

LTEが高速・大容量を目指して発展しているのに対して、低消費電力・長距離通信を目指して発展している。しかも、この通信方式の場合、移動体での通信にも強いことから、農業IoTやへき地でのプライベートネットワークを構築するようなLPWAの事例だけでなく、LoRa WANやSigfoxが苦手としていた移動体と通信するようなシーン、例えばクルマで使うような通信にも利用できるというのだ。

KDDI LTE-MでのLPWA

LTE-MでのLPWAサービス KDDI IoTコネクト LPWA

KDDI LTE-MでのLPWA

LTE-Mを使ったLPWAサービスの特徴としては、以下の2点がある。

特徴1:省電力

どこでも置けて、単三電池2本で10年は持つ。

特徴2:エリアが広い

鉄板や土の中、マンホールの中、などでも使える。

料金は、月間10KBまで、100KBまで、500KBまでの3プランがあり、回線数による割引があるということだ。

KDDI LTE-MでのLPWA

また、1円玉サイズの小型のLTE-M通信モジュールも提供し、2018年1月からこのサービスは開始されるということだ。

KDDI LTE-MでのLPWA

SIMの管理に関する様々な機能も提供することとなった。

KDDI LTE-MでのLPWA

KDDI IoTコネクト デバイス管理

デバイス状態管理や設定変更、ファームウエアの更新といった管理業務は一箇所からやりたい、現地の作業を避けたいという顧客の要望が多い中、デバイス管理のサービスは考えられたのだとう。

KDDI LTE-MでのLPWA

デバイスの状態をNWアタッチ状態やセッション状態、SIM回線状態などから回線状態を監視し、電波受信状態やバッテリーの状態、電源OKからの経過時間、基地局IDなどを見える化し、アラームを通知しする機能、省電力モードへの設定変更など、リモートでのパラメータ変更が可能になる機能、ファームウエアの更新機能などを提供するということだ。

この技術を使って、テレマティクス、スマートメーター、産業機械・ビル・農業などでの遠隔監視や車両や宅配・物流に関する追跡・管理、セキュリティ・見守り、ヘルスケア、決済課金、などといった市場を目指しているという。

KDDI LTE-MでのLPWA
KDDI 技術企画部グループリーダー 松ケ谷篤史 氏

また、技術観点では、現在LTE-Mというサービスは、トルコ、UAE、オーストラリア、北米(ベライゾン、AT&T)ですでに始まっているが、今後もサービス開始が見込まれている。

通常のLTEと比べると、ダウンリンクの速度は決して速いとは言えないが、山間部などのエリアカバレッジは通常のLTEより広い。

展開済みのLTEの設備のソフトウエアをアップグレードするだけで、LTE-Mの対応が可能となるため、全国へのカバレッジも素早く対応できることとなる。

低商品電力、エリアカバレッジの拡張を実現する技術

低消費電力を実現する、eDRX(extended Discontinuous Reception)

通常のスマートフォンは、スタンバイ状態でも基地局を探すので、電池の持ちは決してよいとは言えない。そこで、1.28秒周期で基地局をサーチしなるべく電池を使わないようにするのだが、IoTでそこまでのリアルタイム性を担保する必要がない場合は、この間隔を伸ばすことができるのだ。最大43分まで伸ばすコトができる。

低消費電力を実現する、PSM(Power Saving Mode)

サーチそのものを止めてしまうこともできて、最大13日サーチしない時間を設けるコトができるのだ。

エリアカバレッジ拡張技術(Coverage Enhancement)

LTEの場合、受信するための品質や強度が弱くなると受信することができなくなる。
信号が届かない場合でも、こわれた信号を合成するコトができるという技術だ。

これらのパラメータを下のような管理画面で変更することができるので、テストを進める中で適切な通信間隔などを見つけていけばよいと述べた。

KDDI LTE-MでのLPWA
通信待ち時間の間隔や、ウエイト時間の設定も管理画面から個別にできる。

ネットワークの特性を保証するための取り組みとして、すでに、那覇でのIoTゴミ箱実証実験や、福島でのカバレッジ、干渉確認の実証実験を行っており、技術の効果は確認済みだという。

また、屋外試験でも、LTEエリアの外でもLTE-Mの接続を確認するコトができたというコトだ。

さらに、屋内の浸透実験として、トイレや商業施設、地下駐車場、体育館などで届きにくいところでも確認を行ったという。

参考:KDDI