「AIとIoTは接客のためにある」、パルコが目指すデジタル時代の小売業

IoTNEWSの運営母体である株式会社アールジーンは、3月23日、「小売りのマーケティング」をテーマにセミナーを開催した。今回は、同セミナーに登壇した株式会社パルコ 執行役 グループICT戦略室担当 林直孝氏の講演の内容を紹介する。

パルコは2013年以降、店頭(オフライン)とWeb上(オンライン)での「接客」を実現する「24時間PARCO」をコンセプトに掲げ、「POCKET PARCO」などのプラットフォームをテナント向けに展開。最近ではIoTやAIのテクノロジーを活用し、小売業のデジタルトランスフォーメーションを推進している。

オムニチャネル時代、労働力不足、IoTやAIなどのテクノロジーの進化、…など、さまざまな文脈で語られる小売業界。その中でパルコが目指す小売業の軸は、「ネットとリアルの両面から接客の方法を『拡張』してお客様の満足度を向上すること」であり、「IoTやAIはそのために必要な手段」だという。本稿では、そのパルコのビジョンや施策の内容について、紹介していく。

顧客一人一人との関係が大切な時代に

「小売業」と一口に言っても、企業によってその業態やアプローチは異なる。パルコにおいては、「純粋な小売業ではなく、不動産業と小売業のハイブリッド」(林氏)だ。

パルコはビルを建設し、そこにテナントを誘致する。そこで小売業を行うテナント売上が、パルコの売上につながる。現在、全国のPARCOには約3000件のテナントがあるという。「その個々のテナントの接客の効果を向上させることがパルコの役割」と林氏は説明する。

しかし林氏によると、以前はそうではなかった。かつて、人口が増加傾向にありテレビ広告がマーケティングの手法として有効だった時代には、パルコは個々のテナントの接客に積極的に関わっていくことは少なかった。

しかし、昨今のような人口減少の時代においては、「一人のお客様といかに長く良いお付き合いできるか」(林氏)が重要であり、そのような接客を可能にする環境づくりがパルコとして必要になってきたのだという。

「24時間PARCO」で接客を「拡張」

「AIやIoTはお客様の満足度向上のためにある」、PARCOが目指すデジタル時代の小売業

昨今の消費者の購買行動について林氏は、「オムニチャネル時代においては、お客様はスマートフォンを基点に情報を探索し、その結果、来店する/しないの意志決定をします。あるいは、スマートフォンの中で購入し、消費行動を完結します」と説明する。

そのような時代では、「店頭」だけの接客だけでは対応できない。そこでパルコは2013年に「24時間PARCO」というコンセプトを掲げた。

これは、「店頭」と「Web上」の両方のアプローチにより、個々のショップ店員が24時間いつでもどこでも顧客とコミュニケーションの機会を持ち、接客ができる環境を目指すというものだ。

「オムニチャネル時代においては、変化する顧客ニーズに対応するための接客の『拡張』が必要です。そのためには、テクノロジーの力が必要です」と林氏は語る。

Amazonの「チャネルシフト」

ここで林氏は、『世界最先端のマーケティング 顧客とつながる企業のチャネルシフト戦略』(著者:奥谷孝司氏/岩井琢磨氏、出版:日経BP社)を紹介。同書に書かれている「チャネルシフト」という概念が、オムニチャネル時代のマーケティングに重要だというのだ。

林氏はそこから、代表的な「チャネルシフト」の例として同書に紹介されているAmazonに言及。Amazonは、Web上で商品の選択と購入ができる「オンライン」のプラットフォームを「オフライン」にも応用することで、「チャネルシフト」を起こしたという。

たとえば「オフライン」で選択し、「オンライン」で購入できる仕組みとして、「Amazon Dash Button」がある。同製品では、ユーザーはWeb上の画面選択と向き合わなくても、ボタンを押すだけで商品の注文ができる。「Amazon Echo」も同様に、自宅でスピーカーに声をかけるだけで注文が完了する。

そして、今年の1月にシアトルでオープンした「Amazon GO」も代表的な事例だ。この場合、顧客は商品の選択を「オフライン」の店舗で行うが、レジに並ぶ必要はなく、決済(購入)はAmazonのアプリを通して「オンライン」上で行われる。

なお、同プラットフォームにおいては、店舗内のいたるところにセンサーやカメラが設置されており、Eコマースの場合と同じように、顧客の行動データをこまかく収集できる仕組みが整備されている。

このように、Amazonは「オンライン」から「オフライン」へと、プラットフォームの応用範囲を段階的に拡充しているのだ。

パルコが取り組む「チャネルシフト」

Amazonの事例に見るように、最近ではオンラインのプラットフォームを持った企業が、「チャネルシフト」によってオフラインの業界に参入してきている。それに対し、「オフラインの企業もチャネルシフトを起こし、商品の選択も購入もオンラインでできるようにしていく必要がある」と林氏は指摘する。

また、その理由について林氏は、「チャネルシフトの目的は、Amazonなどの企業への対抗ということではありません。チャネルシフトをしていかなければ、お客様と接するチャンスを自ら閉じてしまうことになるのです」と説明する。

そこで、林氏はパルコが取り組むチャネルシフトについて説明した。

「カエルパルコ」でWeb上の接客を可能に

パルコは2013年、オムニチャネルに対応した初めてのテナント向けサービスとして、「ブログを活用して情報発信ができる」プラットフォームをリリースした。

これは、テナント自らが「ブログ」を活用することで、オンライン上で24時間、顧客に対して商品の紹介や接客ができるという「24時間PARCO」のコンセプトに基づいた施策だった。

そして2014年、「カエルパルコ」をリリース。これは、前述のブログ発信のプラットフォームに「カート」の機能を追加したものだ。これにより、テナントがブログで紹介した商品を、顧客はオンライン(ブログ上)で注文できるのだ。

注文した商品はオンライン上で購入し、自宅まで配送してもらうことが可能。あるいは、取り置き予約の方法もある。取り置きの場合は、顧客はオンライン上で商品を選択し、そのあと実際に店頭(オフライン)に足を運び、試着などをして納得したうえで、商品を購入することもできるという。

スマホアプリ「POCKET PARCO」をリリース

そして、パルコはこれらのサービスを統合するスマートフォンアプリ「POCKET PARCO」を2015年3月に全国リリースした。これにより、消費者はアプリ上で「カエルパルコ」などのサービスを享受することができる。

一方、パルコとしては、ユーザーのアプリ上でのさまざまな操作の履歴から、顧客の行動データを抽出し、分析に活かすことが可能になった。

林氏によると、従来の小売業では、「顧客の行動を把握できる」ポイントは顧客が商品を購入するタイミングだけだった。具体的には、顧客の会員カードとPOSシステムを連携させることで、その顧客が「いつ、何の商品を購入したか」の情報を取得できた。

一方で、その前後の顧客の行動については、ほとんど情報が得られなかった。しかし、顧客がスマートフォンのアプリを使うことで、「来店前」/「来店中」/「来店後」の行動についてデータを得られ、より詳細な顧客の行動分析が可能になったという。

たとえば、「POCKET PARCO」には、「CLIP」という機能がある。これは、ショップスタッフが日々更新するブログの内容に興味があったり、あとで見返したい場合に行う「お気に入り登録」のようなものだ。

その「CLIP」に対して、購入する/しないに関わらず、消費者にはポイントが提供される。パルコとしては、来店前の顧客の興味関心のデータを得られるというメリットがあるのだ。

「POCKET PARCO」にAIを導入

さらには、AIを活用したリコメンデーション機能を「POCKET PARCO」に導入した。

それまでの「POCKET PARCO」では、個々のユーザーが登録時に設定した属性にもとづいてブログ記事が表示されていた。そこから、一人一人にあった情報だけをパーソナルに送るためのリコメンデーション機能を追加したのだ。

統計分析のアルゴリズムでもある程度は可能だが、より精度を高めるため2016年にAIを導入。これにより、アプリユーザーの来店数と購買額がさらに向上したという。

「3C+S」による顧客データ収集

「AIやIoTはお客様の満足度向上のためにある」、PARCOが目指すデジタル時代の小売業

パルコでは、顧客の「来店前」/「来店中」/「来店後」という一連の流れにおいて、前述の「CLIP」に加えて「Check In」(来店時)/「Conversion」(接客・購入)/「Star rating」(サービス評価)という個々のサービスポイントを設けている(3C+S)。またそれぞれのポイントにおいて、顧客のデータ収集を可能にする仕組みを整えているという。

以下、「来店前」/「来店中」/「来店後」の順に紹介していく。

来店前~「CLIP」

林氏は、「接客は来店前からすでに始まっています」と語る。それは、アプリから収集した顧客の行動データからわかってきたことだという。

たとえば、ユーザーがブログ記事のCLIPをしている時間帯のデータを収集して可視化したところ、「朝の8時~9時(通勤/通学時間)とパルコ閉館後の夜9時~10時が最も多い」ということがわかる。

そこから、「顧客は来店する手前の段階で商品の情報を得て、すでに買い物の意志を高めている」(林氏)実態が見えてくるという。

さらには、ユーザーがCLIPした日から、何日以内にショップに来店・購買しているかもわかるという。具体的には、9日以内の来店が全体の48%、またCLIPをした人の8割が29日以内に来店し、商品を購入するというという知見が得られている(2017年10~12月の調査)。

林氏は、「ある週にCLIPしたお客様が次の週に購買する可能性は、CLIPをしていないお客様に対して1.35倍高くなります」とCLIP機能の有効性について説明する。

来店中~「Check In」/「Conversion」

パルコは来店時のサービスとして、GPS機能を活用している。それは、全国どこのパルコでも来店時にGPSをオンにした状態でアプリを起動すると、「Check In」と認識され、「コイン」(ポイント)が付与されるというものだ。

さらにそれを拡張したサービスとして、「PARCO WALKING COIN」を調布と浦和のパルコの2店舗(4月1日現在、津田沼店と福岡店を加えた4店舗)で試験導入しているという。

このサービスでは、「POCKET PARCO」と歩数カウントアプリを連携させることで(GPSはオンにしておく必要がある)、パルコ店内を歩いた歩数をカウントし、その歩数分のコインを付与するというものだ。なお、500歩のウォーキングで500コイン(約5円相当の価値)だ。

林氏によると、今年の1月19日から18日間のデータを分析したところ、「PARCO WALKING COIN」を利用する顧客は、利用しない顧客に比べて、「購入回数は1回増える」、「購入店舗は1.2店舗増える」、「客単価は1,000円上がる」という結果が得られたという(18日間の調査)。

「AIやIoTはお客様の満足度向上のためにある」、PARCOが目指すデジタル時代の小売業

来店中の施策として、「10,000円以上お買上で500円優待券進呈企画を実施」といったサービスを提供した際に、そのPUSH通知を「買い物直後の」顧客に対して送った事例が紹介された。

通知の受け取りは任意だが、受け取った顧客の半数が通知後に必ず商品を購入すること、またPUSH通知後に購買に至った顧客は平均して約3回の買い回りをするということがデータからわかるという。

このサービスにおいては、「買い物をした直後」という通知のタイミングが、顧客のリピートを促すために重要なのだという。林氏は、「従来、スマホアプリのようなものがなければ、最適なタイミングを見計らって、通知をお客様にお届けするということはできませんでした」とアプリの有用性について説明する。

来店後~「Star rating」/テナントへのフィードバック

来店後、アプリ会員にはその買い物の金額に応じた「コイン」が付与される。その通知は翌朝にユーザーに送られ、そこで5段階評価のアンケートをとる仕組みになっている(Star rating)。そのアンケートに応える顧客は、応えない顧客に対して、翌週に商品を購入する確率が約1.11倍高くなるという。

パルコには各テナントの担当者がおり、Star ratingの評価やコメントをもとに、日々接客の改善に向けてテナントスタッフと議論を行っているという。

また、その際には専用のダッシュボードを用い、取得したさまざまなデータからテナントスタッフの「接客満足度」を可視化するという。全国のパルコに展開しているブランド・ショップにおいては、その全国のデータを一元的に管理し、分析もできるということだ。

「小売のマーケティングは、一人一人にあった商品を提案していくことに重点がシフトしてきています。つまりパルコで言えば、ブランドさんの個々の店舗での売上を向上していくことも大事ですが、お客様一人一人との長いお付き合いを大事にしていくということであれば、場所を選ばず、ブランド全体としてお客様や商品の売れ行きの動向を見ていくことが重要になってきます」として、林氏は全国のショップのデータを横串しで見る重要性を指摘する。

パルコのこれからの取り組み~カメラ、ロボット、AI、Mixed Reality

IoTを活用し、分析に使えるデータの種類を増やす

以上、さまざまな取り組みを行ってきたがパルコだが、林氏は「来店されるお客様一人一人の行動データは、まだごく一部しか取得できていません。アプリを使っても、十分ではありません」と述べている。

そこで、パルコでは昨年の11月に上野にオープンした「PARCO_ya(パルコヤ)」で、株式会社ABEJAが展開するカメラソリューションを導入。カメラには、「来店者数」をカウントするタイプと、来店者の性別や年齢といった「属性」データを取得するタイプの2種類がある。これらを使って、来店者の行動分析が可能になるという。

たとえば、カメラで収集した「日別の来店者数」のデータと従来からPOSで取得したレジ客数のデータを組み合わせることで、ショップごとの「買上率」(レジ客数/入店者数)が把握できるという。

「AIとIoTは接客のためにある」、パルコが目指すデジタル時代の小売業

また、パルコでは屋上にセンサーボックスを設置して、日々の気温や天候などのデータも収集している。既存の取引先と協業してアドバイスを受けながら、社内で「IoT部」(林氏)をつくり、ラズベリーパイなどを購入して取り組んでいるということだ。

その気候データを「POCKET PARCO」と連動し、たとえば雨が降ったときだけ、来店者にポイントを付与するなどのサービス提供を実施しているという。

ロボットとAIの活用

「AIとIoTは接客のためにある」、パルコが目指すデジタル時代の小売業

パルコは、昨年の11月にオープンした上野の「PARCO_ya」で、ロボットとAIを活用したソリューションの実証実験を行った。目的は、「人手不足の解消と、人にはできないことをロボットが実現すること」(林氏)だという。

このロボットは、昼間と夜間で役割を切り替えるという。昼間は、来店した顧客のサポートを目的として、店舗の案内などを行う。「総合案内のある1階より上に行ってしまうと、お客様は店舗の場所などについて尋ねる機会が少ないのが現状です。そのような接客ロスを防ぐために、PARCOではロボットを使います」と林氏は語る。

今後、ロボットにはAmazonが提供しているAIプラットフォーム「Alexa」のソフトウェア開発用API「Alexaスキル」を活用する予定だ。パルコでよく顧客から尋ねられる内容をAlexaにインプットし、「音声」と「タッチパネル」で的確なナビゲートを目指すという。

「AIやIoTはお客様の満足度向上のためにある」、PARCOが目指すデジタル時代の小売業

そして、閉館後の夜間においては、同じロボットが今度は「棚卸用ロボット」して活用される。

最近では、商品一つ一つにRFIDタグをとりつけることで、商品の効率的な在庫管理が可能になってきている。しかし、そのタグの読み取りは、ヒトが行うことが一般的だ。

そのヒトの手間を削減してさらなる効率化を目指すため、自律走行するロボットにRFIDタグのリーダーを搭載し、棚卸作業を代替する。「まだ完全な自動化を実現するには精度が足りないが、繰り返し検証していくことで自動化も可能」(林氏)と考えているという。

スマホの次はMRスマートグラス

「AIやIoTはお客様の満足度向上のためにある」、PARCOが目指すデジタル時代の小売業
3月に米国テキサス州で開催されたイベント「SXSW2018」で、パルコはVRやMRを使ったサービスを出展した。

林氏は、「MR機能を搭載したスマートグラスは、スマートフォンに代わるデバイスとして近い将来、実用化されていくだろう」と述べた。

MR(Mixed Reality:複合現実)は、CGなどでつくった3Dの仮想世界に現実世界の情報を取り込み、現実世界と仮想世界を融合させたような世界をつくる技術だ。

パルコでは、スマートグラスを通して、現実世界に投影された仮想の「モデル」の「洋服」を着せ替えていくという、新しい商品選択のサービスを現在実験中だという。

いまでは、スマートフォンの画面をスクロールしながら、さまざまなブランドの洋服を着たモデルを閲覧し、気になる洋服を選んでいくという方法が一般的かもしれない。しかし、MRを応用した方法では、スマートグラス越しにモデルが3Dで浮き上がり、店頭で直接洋服を見ているかのように、さまざまな角度から洋服の選択ができると期待される。

洋服は、顧客自身あるいは店頭にあるコーディネートを専用のスキャナで「3Dスキャン」することで、Web上の画面などに投影することが可能。来年リニューアル予定の渋谷のPARCOでは、このMRを活用した売場を検討しているという。

「テクノロジーで偶然の出会いによる幸せを実現したい」

「AIやIoTはお客様の満足度向上のためにある」、PARCOが目指すデジタル時代の小売業
デジタルSCプラットフォームのSCには、「Shopping Center」/「Social Center」/「Serendipity Center」という3つの意味が込められているという。

これまでのさまざまなソリューションの目的について、林氏は次のように述べた。

「リアルとネットのデータをデジタルの世界に蓄積し、さらにはAIを活用することで、お客様が求める商品のマッチングを実現することが目的です。そのためには、個人情報の取扱いに十分配慮したうえで、各種のセンサーを使ってお客様の行動データを取得したり、商品の在庫データをデジタルで一元的に管理したりするということが必要になります」

また、林氏は「来店されたお客様にお買い物をしていただく率(買上率)を上げ、さらには2店舗目、3店舗目と買いまわっていただけるようにしたい。また、その際にはそれを無理やりではなく、お客様に嫌がられないように実現していくことが大事です」と考えているという。

テナントに対しては、「データを積極活用することで、テナントに精度の高い需要予測を提供していく」(林氏)という。そうすることで、無駄になる商品が少なくなり、コストを下げられる。その結果、商品の価格を下げたり、接客に使えるリソースを増やせることが狙いだ。

実際には、すべてのテナントがプラットフォームを活用できているわけではないという。ブログを発信しているテナントは全体の半分程度だ。それについて林氏は、「テナント様に施策の意義を十分伝えきれていないのは、私たちの課題です。ただ、時間と労力をかけた分は必ずお客様の共感を生み、来店やお買い上げにつながっていきます」と語る。

なお、「カエルパルコ」の仕組みは、テナントが主体的にブログを発信するなかで得た気づきから生まれたものだという。機能としてプラットフォームをつくるだけではなく、その効果的な使い方をパルコとテナントで考えていく関係性が重要だということだ。

最後に林氏は、今年の1月にシアトルでオープンした「Amazon GO」に再度言及。「Amazon GOのようにレジ待ちのプロセスがない仕組みというのは、欲しいものが決まっているお客様にとっては素晴らしい店舗モデルだと思います」としたうえで、パルコが目指す店舗について次のように語った。

「パルコが運営するショッピングセンターの場合においては、あらかじめ買うものを決めているお客様ばかりではありません。リアル店舗のいいところは、接客を受けながら自分が本当に欲しいと思っていた商品やサービスと出会えることです。とはいえ、商品を探す時間というのは、お客様にとってストレスと感じる場合も多いのです。その時間を、デジタルの力でマッチング率を上げることで、少しでも短くしたい。大事なことは、お客様が納得のいく商品に出会う確率を上げるということです」

そのことを林氏は「セレンディピティ(Serendipity)」(偶然の出会いによる幸せ)と表現し、その出会いを促す「クリエイティブな接客」を、テクノロジーとヒトの力で実現していきたいとした。

【関連リンク】
パルコ(PARCO)
商業施設におけるAIを活用した売上を向上する取り組み —ABEJA「SIX 2018」 パルコ、トヨタオートモールクリエイト

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