”着るロボット”で高齢者の暮らしを支援、パナソニックとATOUNが開発

株式会社ATOUNは、パナソニック株式会社 ビジネスイノベーション本部(以下、BI本部)で開発されたワイヤ型歩行支援技術(※1)を用いることにより、従来のアシスト機器よりも着用がしやすく、日常の歩行をより自然にサポートできるパワードウェア(※2)のプロトタイプ「HIMICO(ヒミコ)(※3)」を開発した。

ATOUNは、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)から平成29年度医療研究開発推進事業費補助金(ロボット介護機器開発・導入促進事業)の支援を受け、これまで培った外骨格タイプ(※4)の歩行支援用パワードスーツの知見をいかし、新たにワイヤ型歩行支援技術を採用することで、アシスト機器を「着る」という感覚に近づけることを目指してきた。

また、臨床的視点からは東京大学医学部附属病院の住谷 昌彦医師の協力のもと、同機器の歩行への影響調査を含め、開発に助言を受けている。

このパワードウェア「HIMICO」の着用により、ロコモティブ症候群(※5)の高齢者が、無理なく歩行できるようになることに加えて、歩行機能の回復により筋骨格系疾患だけでなく生活習慣病などさまざまな疾患予備軍の状態から健康状態へ復帰することが期待される。

「HIMICO」の重量が約3.5kgと軽くなり、使用者がひとりで容易に脱ぎ着できる着用性を実現したことで、普段の生活の中でも気軽に歩行トレーニングに取り組める環境づくりにも貢献するとした。

さらに、健康な高齢者のウォーキングやハイキングなどのライトエクササイズへの利用を目指し、パナソニック株式会社 東京オリンピック・パラリンピック推進本部、BI本部との連携のもとでプロトタイプの改修と実証実験を実施。福祉の用途だけでなく、健康寿命延伸の観点から「歩くことができる期間」を延ばす健康増進用途での活用も目指している。

※1:ワイヤ型歩行支援技術
歩行動作をセンサで読み取り歩行周期を予測し、人の動作メカニズムに近い機構をモータとワイヤで実現することにより歩行動作を誘導して、歩行アシストを行う技術。この技術により、従来の外骨格タイプと比較してより体にフィットするような設計ができ、また人の自然な動作を邪魔することなくアシストが可能となる。

※2:パワードウェア
人間のパワーを引き出すモータを使用した、ウェアのように軽い「着るロボット」。

※3:HIMICO(ヒミコ)
「HIMICO」は、今回のプロトタイプの開発コード名。製品名称は「パワードウェア ATOUN MODEL H」を予定。

※4:外骨格タイプのパワードスーツ
人の骨格に沿って剛体のパーツがパワードスーツの骨格の役割を果たすタイプを指す。

※5:ロコモティブ症候群
運動器の障害による移動機能の低下した状態を指す(日本整形外科学会による)。

【関連リンク】
パナソニック(Panasonic)
ATOUN

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